先日のキネ旬シアターは『ワン・プラス・ワン』でした。
ワン・プラス・ワ』でした。
製作:1968年 イギリス 1978年 日本公開
チャーリー・ワッツ追悼記念と銘打って、約42年ぶりに公開されました。
監督はご存じジャン=リュック・ゴダールです。
当時はゴダールがストーンズを撮った映画があると知って是非見たいと思ったのですが、なかなか上映されませんでした。ようやく10年経った1978年に日本でも公開されました。勇んで観に行ったのを憶えています。
その映画が昨年のチャーリー・ワッツの死を悼んで久しぶりに公開されることになったようです。DVDも持っているのですがぜひもう一度劇場で観たいと思い行ってきました。
内容はストーンズのアルバム『ベガーズ・バンケット(Beggars Banquet)』の1曲目に収録された『悪魔を憐れむ歌(Sympathy for the Devil)』のレコーディングの模様を撮ったドキュメンタリー映画です。が、そこはゴダール。一筋縄ではいきません。
黒人解放闘争のブラックパワーの指導者へのインタビューや本の朗読、革命のヒロインへのインタビュー、さらにはポルノ雑誌の書店店主がヒトラーの『わが闘争』を読み上げるシーンなどを交えて映画は進行します。さすがに現在からみると時代を感じさせますが、1968年という時代を考えると、当時の感覚でいえば前衛的で若者には共感があったと思います。そう言う私もその一人でした。
ただ、1978年の日本公開は遅すぎました。できればもっと早く観たかった。1968年と78年の間の10年間で世の中は全く変わってしまいました。良くも悪くも反抗の時代は過ぎ去っていました。どうしてゴダール作品が10年もの間ほったらかしにされていたのでしょうか。
『悪魔を憐れむ歌』のレコーディング風景は見ものです。ミックもキースもビルもチャーリーもみんな若い!。特にブライアン・ジョーンズの生前の姿が何とも憐れみを誘います。この時期のブライアンの存在感は薄れていました。この翌年、彼はストーンズを脱退、そして死亡。
ピアノを弾いていたのはニッキー・ホプキンスでしょう。
この後、社会世相を反映するようにジミヘン、ジャニス、アル・ウィルソン、ジム・モリソン、デュアン・オールマン、グラム・パーソンズ等々、大物が次々と亡くなりました。ロック界にとってもこの時期は大きな転換期だったのです。
それでは今日はこの辺で。