今日の「この人の、この1枚」はフェントン・ロビンソン(Fenton Robinson)の『Somebody Loan Me A Dime』です。
フェントン・ロビンソンは1935年、ミシシッピ州の生まれで、1951年にはメンフィスへ移住、そして1962年にシカゴに定住するようになりました。
メンフィス時代の1957年にミーティア・レコードから最初のシングル『Tennessee Woman』をリリースしました。1958年にはデューク・レコードから『Texas Flood』『As the Years Go Passing By』などをリリ-スしました。スティーヴィー・レイ・ヴォーンやアルバート・キング、アル・クーパーなどによってカバーされました。
1962年にシカゴに移ってから、1967年にパロス・レコードからシングル『Somebody (Loan Me A Dime)』をリリースしました。この曲を1969年にボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)が自身のアルバム『Boz Scaggs』でカバーしました。ところがボズはこれを自作曲として発表しました。後に裁判となりボズの敗訴となりました。
1971年に初のオリジナルアルバム『Monday Morning Boogie & Blues』がリリースされるも完全な失敗作の烙印を押されてしまいました。
そして1974年、アリゲーター・レコードから『Somebody Loan Me A Dime』がリリースされました。この中にはタイトル曲を含み何曲か再録がありますが、断然素晴らしいレコーディングになっています。
Side A
1.Somebody Loan Me A Dime
2.The Getaway
3.Directly From My Heart To You
4.Going To Chicago
5.You Say You're Leaving
6.Checking On My Woman
Side B
1.You Don't Know What Love Is
2.I've Changed
3.Country Girl
4.Gotta Wake Up
5.Texas Flood
メンバーは
Guitar,Vocals - Fenton Robinson
Bass - Cornelius Boyson
Drums - Tony Gooden
Keyboards - Bill Heid
Rhythm Guitar - Mighty Joe Young
Tenor Saxophone - Donald Baldwin
Trombone - Bill McFarland
Trumpet - Elmer Brown Jr., Norval D. Hodges
Written-By - Fenton Robinson (tracks: A1, A2, A6, B1, B2, B4)
Producer – Bruce Iglauer, Fenton Robinson
その後も1977年にアルバム『I Hear Some Blues Downstairs』をリリースしていますが、ソウル色が強く、ブルース・アルバムとしてはこの『Somebody Loan Me A Dime』がやはりピカイチでしょう。
日本でのフェントン・ロビンソンは非常に人気があり、来日が切望されましたが、本人が交通事故を起こし有罪判決となり予定されていた公演は中止になってしまいました。
1989年になってようやく初来日を果たしました。しかし、1997年脳ガンにより亡くなりました。62歳でした。
Fenton Robinson - "Somebody Loan Me A Dime" (1974)
Fenton Robinson ~ ''The Getaway'' (Modern Electric Chicago Blues 1974)
Fenton Robinson ~ ''You Say You're Leaving''(Modern Electric Chicago Blues 1974)
それでは今日はこの辺で。