今日の「この人の、この1枚」は引き続きボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)です。通算7枚目、実質6枚目のアルバム『シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)』です。
前作から2年後、大げさに言えばボズ・スキャッグスの人生を変えたアルバム『シルク・ディグリーズ(Silk Degrees)』がリリースされました。
このアルバムによって、これまでの泥臭いブルースやR&Bの世界からお洒落なポップスやバラード、いわゆるAORへと音楽スタイルも変わりました。
Side A
1.What Can I Say
2.Georgia
3.Jump Street
4.What Do You Want The Girl To Do
5.Harbor Lights
Side B
1.Lowdown
2.It's Over
3.Love Me Tomorrow
4.Lido Shuffle
5.We're All Alone
レコーディング・メンバー
ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs – guitar, lead vocals)
フレッド・タケット(Fred Tackett – guitar)
レス・デューデック(Les Dudek – slide guitar)
ルイス・シェルトン(Louis Shelton – guitar, slide guitar, acoustic guitar)
デヴィッド・ペイチ(David Paich – piano)
デヴィッド・ハンゲイト(David Hungate – bass)
ジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro – drums, percussion, timbales)
ジョー・ポーカロ(Joe Porcaro – percussion)
プラス・ジョンソン(Plas Johnson – saxophone)
ジム・ホーン(Jim Horn – tenor saxophone)
バド・シャンク(Bud Shank – saxophone)
チャック・ファインドリ(Chuck Findley – flugelhorn solo)
シド・シャープ(Sid Sharp – string conductor and concertmaster)
プロデュースはジョー・ウィザート( Joe Wissert)です。
メンバーのうちデヴィッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイト、ジェフ・ポーカロは後にトト(TOTO)のメンバーに、フレッド・タケットはリトル・フィートのメンバーになります。
レス・デューデックはDFKバンドやスティーヴ・ミラー、オールマン・ブラザーズなど多くのセッションをこなしています。
ジャズ界からもバド・シャンクが参加しています。
A4がアラン・トゥーサンの曲。
B3がデヴィッド・ペイチの曲。
A1,A3,B1,B2,B4がボズとデヴィッド・ペイチの共作。
その他はボズ・スキャッグスの曲。
このアルバムは全米2位、5プラチナ認定と大成功でした。シングルも「It's Over」「Lowdown」「Lido Shuffle」「What Can I Say」がヒットしました。おまけにグラミー賞まで受賞しました。
個人的には複雑な思いでした。ボズが売れるのは嬉しいが、ブルース、R&Bから離れてしまったのは寂しい気持ちでした。
1978年には来日し日本武道館でコンサートがあり当然行きましたが、垢ぬけたボズを観てなんとも妙な気持ちになりました。
それでもこのアルバムは本当によくできたアルバムです。まさにAORの傑作でしょう。とくにラストの「We're All Alone」は最高のバラードでしょう。
この後もボズ・スキャッグスはヒット・アルバムを出し続けます。そして近年、ソウル、ブルースに帰ってきました。まだまだ頑張るでしょう。
Boz Scaggs - Lowdown (Official Audio)
Boz Scaggs - Lido Shuffle (Official Audio)
それでは今日はこの辺で。