今日の1枚は、これまたブックオフで入手したピート・シーガー(Pete Seeger)のレコードです。タイトルは『The Bitter And The Sweet』で日本語のタイトルがなんと『民謡の神様』となっています。
中村とうようさんの解説を読むと、このアルバムがピート・シーガーの日本で最初に紹介されたレコードだそうです。時は1963年です。私がまだフォークソングという言葉も知らない頃です。
ピート・シーガーと言えば日本ではウディ・ガスリーと共にフォークの元祖として崇められています。この後、ジョーン・バエズやブラザース・フォー、ピーター・ポール&マリー(PPM)などの登場によって、日本でもカレッジ・フォークなるものが流行り、そして60年代後半になるとピート・シーガーの影響を受けた連中によって反戦フォークなるものがベトナム戦争反対運動と相俟って一気にブームになりました。高石友也やフォーク・クルセダーズ、五つの赤い風船、岡林信康、高田渡、加川良、中川五郎、遠藤賢司など諸先生方の関西フォークが世の中を席巻しました。
ピート・シーガーの作った「腰まで泥まみれ」や「花はどこへ行った」などの楽曲は日本でも多くのミュージシャンによって歌われました。
このアルバム『The Bitter And The Sweet』は「ビター・エンド」に於ける実況録音です。
オープニングが「勝利を我等に(We Shall Overcome)」です。この時の日本語タイトルは「勝利はわれらに」でした。いつごろから「勝利を我等に」になったのでしょう。
「花はどこへ行った(Where Have All The Flowers Gone)」もこの当時は「花はいづこへ」でした。
バーズ(The Byrds)でヒットした「ターン、ターン、ターン(Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is A Season)」も収録されています。
日本の反戦フォーク、プロテスト・ソングの原点がここにあったのです。
ピート・シーガーは2014年、94歳で亡くなりました。
Side 1
1.We Shall Overcome
2.Living In The Country
3.Mister Tom Hughes's Town
4.Where Have All The Flowers Gone
5.Barbara Allen
6.Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is A Season)
Side 2
1.Around And Around Old Joe Clark
2.Windy Old Weather
3,Ram Of Darby
4.Juanita
5.Andorra
6.The False Knight Upon The Road
Producer – John Hammond
Recorded in Person at the Bitter End.
それでは今日はこの辺で。