先日のキネ旬シアターは『春の画 SHUNGA』でした。
監督:平田潤子
ナレーション:森山未來、吉田羊
製作:2023年 日本
江戸時代の浮世絵師による春画にまつわるドキュメンタリーです。R18です。昔でいう成人映画です。完全無修正です。が、R18にする必要も無いような気もします。せめてR12ぐらいでしょうか。
春画については私も興味があって何冊か書籍も買っていました。2015年に大英博物館で「春画展」が開催され、その後、京都や東京でも開催されると春画人気に火がつき、大手出版社からの出版も相次ぎました。私が買ったのもこの頃だと記憶しています。
ところが、この映画を観て私の中途半端な興味など吹っ飛んでしまうような、春画の奥深さを思い知らされました。江戸時代の名うての浮世絵師や彫師、摺師が思いを込めて作り上げた春画の美しさに目を奪われるました。さらに江戸時代人の性に対する考えの一片を知ることも出来ました。
葛飾北斎、喜多川歌麿、鈴木春信、歌川国芳など私でも知っている浮世絵師の春画が続々登場します。しかも無修正です。
以前は春画など江戸時代のエロ絵だろう、などと思っていた事が恥ずかしい限りです。また、春画の女性ファンが数多いことにも驚きました。やはりこれは春画を芸術として見る向きが多いということなのでしょう。横尾忠則氏の話などを聞いていると、まさにそんな気がしてきますが、一方で彼の春画のオマージュ作品を見ていると芸術ってなんだ、という素朴な疑問も湧いてきます。
明治時代になると春画は取り締まられ、やがてヌードは写真に代わられ、春画は姿を消しました。しかし海外では人気があり、日本でも根強い人気があり、収集家もたくさんいるようです。
さすがにネットではボカシ画像ばかりです。
それでは今日はこの辺で。