Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

この人の、この1枚『'71全日本フォークジャンボリーライブ第一集』

ブック・オフで入手したレコードの続きです。

今日のレコードは『'71全日本フォークジャンボリーライブ第一集(中津川椛の湖 人間解放 72時間)』です。500円でした。

 

実は「フォークジャンボリー」関連のレコードは第2回(1970年)、第3回(1971年)共に岡林信康大先生が収録されている分はリアルタイムで買っていたのですが、この1971年の『第1集』は岡林先生が収録されていないので買っていませんでした。当時は金銭的余裕がありませんでしたので致し方ありませんでした。50年経ってようやく手元に届きました。

 

「第1集」には高田渡加川良、岩井宏のいわゆる「3馬鹿トリオ」やなぎらけんいちエンケン遠藤賢司)、のこいのこ武蔵野タンポポ団はっぴいえんどそれにこのあとブレイクするガロの名前もあります。そして何といってもこの年のフォークジャンボリーで時代は岡林から「たくろう」へ変わったと言わしめた吉田拓郎の「人間なんて」が収録されています。高田渡さん、加川良さん、遠藤賢司さん、大瀧 詠一さんは永眠しました。

この年の模様は岡林先生のライヴが当時深夜にテレビ放送されました。岡林先生が警察に向かって「帰れ!帰れ!」と叫んでいたのを憶えています。「申し訳ないが気分がいい」が鮮烈でした。

日本のフォークソング・ブームが絶頂期を迎えた時期の一大イベントでした。このあとフォークソング・ブームは去りニューミュージックへと移っていくのです。

 

 

'71全日本フォークジャンボリーライブ第一集 中津川椛の湖 人間解放 72時間

 

Side A

1.加川良 -  教訓 I

2.加川良 – ゼニの効用力について

3.岩井宏 – かみしばい

4.高田渡 – 自転車にのって

5.高田渡 – 生活の柄

6.吉田拓郎 – 人間なんて

 

Side B

1.武蔵野タンポポ団 – もしも

2.ガロ –  たんぽぽ

3.のこいのこ –今ここに

4.なぎらけんいち– 一円玉

5.遠藤賢司 – カレーライス

6.はっぴいえんど –12月の雨の日

 

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ああ、懐かしい!

 

それでは今日はこの辺で。

映画『街の灯』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターは『街の灯』でした。

またまた「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル

製作:1931年  アメリカ合衆国

 

ご存じチャップリンの代表作です。サイレント映画ですが音楽と音響が入った最初の映画です。製作に3年かかりました。基本コメディですが例によって哀愁を感じさせます。

私もこの映画を観るのはほんとに久しぶりです。

 

ストーリーは浮浪者チャップリンが貧しい盲目の花売り少女のために奮闘する物語です。

 

何度見ても同じところで大笑いの涙、そしてラストでは感動の涙。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

 

この人の、この1枚 ステッペンウルフ(Steppenwolf)の『Live』

ブック・オフで入手したレコードの続きです。

今日のレコードはステッペンウルフ(Steppenwolf)の2枚組『Live』です。国内盤、500円でした。

我がブログを振り返って検索したところステッペンウルフについては「聴き比べ」や映画「イージー・ライダー」のところでほんの少し書いただけで、ほとんど書いていませんでした。全く迂闊でした。

lynyrdburitto.hatenablog.com

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

ということで、ステッペンウルフについて少々書いてみます。

彼らの前身は1964年に結成されたJack London & The Sparrowsというカナダのバンドでした。この時のメンバーは

アート・アイル(Art Ayre, key)

デニス・エドモントン(Dennis Edmonton,g,vo)

ジャック・ロンドン(Jack London,vo,g

ジェリー・エドモントン(Jerry Edmonton,ds,vo)

ニック・セント・ニコラス(Nick St. Nicholas,b)

でした。このメンバーで1965年にアルバムを1枚リリースしました。『Jack London & The Sparrows』です。

 

やがてリーダーのジャック・ロンドンとアート・アイルがバンドを去ります。代わりにジョン・ケイ(John Kay,vo,g)ゴルディ・マクジョン(Goldy McJohn,key,vo)が加わり、1966年にバンド名もスパロウ(The Sparrow)に変え、シングルを2枚リリースしましたがヒットには至らず一旦解散しました。

 

1967年にはサンフランシスコに拠点を構え、メンバーを入れ替えて再結成します。デニス・エドモントンがバンドを去り、新たにラシュトン・モリーヴ(Rushton Moreve,b,vo)マイケル・モナーク(Michael Monarch,g,vo)が加わりました。バンド名もステッペンウルフとしました。

そして1968年、記念すべきファーストアルバム『Steppenwolf』がリリースされました。

 

このアルバムの中から「Born To Be Wild」「The Pusher」の2曲が映画イージー・ライダーの挿入歌に使われ、「Born To Be Wild(ワイルドでいこう!)」は大ヒットとなりました。これは日本でも大ヒットしました。映画の影響によるものが大きいとと思いますが、このアルバムでステッペンウルフはアメリカを代表するハードロック・バンドになりました。ジョン・ケイのどすの効いたヴォーカルが特徴です。

 

同じ年に早速2枚目のアルバム『The Second』がリリースされ、この中の「Magic Carpet Ride」がヒットしました。

 

1969年には3枚目のアルバム『At Your Birthday Party』がリリースされます。ラシュトン・モリーヴはバンドを去り、後に自動車事故により亡くなりました。

この中からは「Rock Me」が売れました。

 

続いて同年4枚目のアルバム『Monster』がリリースされました。

このアルバムからギターがマイケル・モナークからラリー・バイロム(Larry Byrom,g)に代わりました。このアルバムからバンドは政治色を前面に打ち出すようになりました。

 

そして1970年にリリースされたのが今日紹介する『Live』です。

 

メンバーは

Goldy McJohn - key

Jerry Edmonton - ds

John Kay - vo,g

Larry Byrom - g

Nick St. Nicholas - b

 

Producer – Gabriel Melker

 

このライヴは1970年に行われた彼らのライヴから寄せ集めて製作されたものです。

当時は高くて手が出ませんでしたが、50年以上経って手元に届きました。

 

この後、『Steppenwolf 7』『For Ladies Only』をリリースしますが、1971年か湯堂休止を宣言し、ジョン・ケイはソロ活動を開始しました。これも懐かしい。

  

その後は再結成と解散を繰り返し、2019年正式に解散しました。

1960年代後半の若者文化を象徴する代表的なバンドでした。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

 

バレンタイン・チョコ & 聴き比べ 黛ジュンの『雲にのりたい』

昨日は孫娘たちに手作りのバレンタイン・チョコをもらいました。感激です!

孫娘たちもそんな年齢になったのだな~、と感慨もひとしおです。いつかそんな時がくるのかな~、なんて淡い想いもありましたが、現実になってみるとやはり嬉しいものですね。感謝、感謝!

 

さて、今日の「聴き比べ」は先日に引き続き黛ジュンさんの『雲にのりたい』です。

 

1969年の7枚目のシングルです。作詞は大石良蔵、作曲は鈴木邦彦です。

この曲は『夕月』から一転、フォーク調のメロディーで、当時ブームになってきたフォークソングにあやかってヒットしました。

この後、彼女の人気も次第に下降線をたどるようになります。

 

 

雲にのりたい

作詞:大石 良蔵

作曲:鈴木 邦彦

 

雲にのりたい やわらかな雲に

望みが風のように 消えたから

私の胸につのる淋しさは

愛するあなたにもわからない

どうして皆恋しているんでしょう

はてない涙の中で

だから一人で 雲にのりたい

やわらかな雲に

知らない街角を 見たいから

 

雲にのりたい あたたかい雲に

今日また幸せは こないから

あなたといても くちづけをしても

悲しい風が吹く 胸のなか

どうして みんな恋しているんでしょう

はてない 涙のなかで

だからひとりで

雲にのりたい あたたかい雲に

誰にもあわないで いたいから

 

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まだアイドル歌手時代だった長山洋子さんがカバーしました。

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ペドロ&カプリシャスのヴォーカルだった前野曜子さんです。

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ちあきなおみさんも歌っていました。

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それでは今日はこの辺で。

 

 

 

映画『サーカス』『一日の行楽』を観る ーキネ旬シアター

先日のキネ旬シアターは『サーカス』『一日の行楽』でした。

またしても「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

今日も2本立て上映です。

まずは『1日の行楽』です。

 

監督・脚本・製作:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリンエドナ・パーヴァイアンス

製作:1919年  アメリカ合衆国

 

ファースト・ナショナル社での短編映画です。

チャップリン一家がピクニックに出掛けて、さんざんな目に遭うコメディーです。

腹を抱えて笑ってしまいました。チャップリンこの時30歳。運動神経抜群です。

 

もう1本は『サーカス』です。

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリン、マーナ・ケネディ、ハリー・クロッカー

製作:1928年  アメリカ合衆国

 

ユナイテッド・アーティスト社での3作目の作品です。長編映画です。

公開当時はサイレントでしたが、1970年の再上映時に新規録音のBGMをつけたようです。

放浪者チャーリーはスリの犯罪者として警察に追われています。ひょんなことからサーカス団に逃げ込み、サーカス団で働くようになります。そこで彼は人気者になります。そして団長の娘に恋をするのですが・・・。

 

大笑いした後、最後はちょっと切ない。そんな映画です。

映画の中の綱渡りのシーンは圧巻です。すべてチャップリンの実際の演技というから驚きです。彼の身体能力は計り知れません。

 

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それでは今日はこの辺で。

 

 

 

聴き比べ 黛ジュンの『夕月』

今日の「聴き比べ」は黛ジュンさんの『夕月』です。

 

1968年の大ヒット曲です。黛ジュンさんにとっての5枚目のシングルで、その前の『天使の誘惑』はこの年のレコード大賞を受賞しています。その『天使の誘惑』よりも売れたという曲です。作詞はなかにし礼、作曲は実兄の三木たかしです。

 

黛ジュンさんは1948年生まれで、1964年に本名の渡辺順子でデビューするもパッとせず、1967年に石原プロに移籍し、東芝から「黛ジュン」として『恋のハレルヤ』で再デビューしました。これがヒットし、その後も『霧のかなたに』『乙女の祈りと連続ヒットを飛ばし、『天使の誘惑で』が大ヒット、レコード大賞に輝きました。当時のグループ・サウンズ・ブームに乗ってポップス然とした楽曲が若者中心に受け入れられました。

 

この『夕月』はそれまでのポップス調から純日本調のメロディーが逆に珍しく、受けたのだと思います。この大ヒットにあやかって映画化までされました。彼女が主演で、相手役には森田健作、前千葉県知事が選ばれました。彼のデビュー作でした。

 

その後、1970年に結婚で一旦引退、その後離婚で芸能界へ復帰も、かつてのようにヒット曲には恵まれず、一時期は日活のロマンポルノへの出演などもありました。これには驚きました。その後は歌手として活動し、現在もたまにテレビの歌謡番組で見かけます。

 

 

夕月

作詞:なかにし礼

作曲:三木たかし

 

おしえてほしいの 涙のわけを

見えるもののすべてが 悲しく見えるの

夕月うたう 恋の終わりを

今でもあなたを 愛しているのに

 

おしえてほしいの 私の罪を

許されるものなら あやまりたいの

夕月さえて 心はいたむ

あまりにいちづに 愛しすぎたの

 

おしえてほしいの 忘れるすべを

つきまとう幻影 あなたの面影

夕月だけに 愁いを語る

涙をあなたに ふいてもらいたい

 

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由紀さおりさんがカバーしています。

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香西かおりさんです。

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それでは今日はこの辺で。

 

 

 

映画『巴里の女性』と『のらくら』を観る ーキネマ旬報シアター

先日のキネ旬シアターは『巴里の女性』『のらくら』の2本立てでした。

 

先週の「フォーエバー・チャップリンチャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。

 

まず『巴里の女性』です。

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:エドナ・パーヴァイアンス、アドルフ・マンジュー

製作:1923年 アメリカ合衆国

 

チャップリンが有志と設立したユナイテッド・アーティスツの第1作目の映画です。

チャップリンは出演していません。ほんの一瞬カメオ出演していますが、ほとんど気がつきません。

チャップリンによる喜劇以外の初めての作品です。

若い男女のすれ違いによるシリアス・悲劇です。長編映画です。

 

『のらくら』

 

監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン

出演:チャールズ・チャップリンエドナ・パーヴァイアンス

製作:1921年 アメリカ合衆国

 

ファースト・ナショナル社時代の短編です。日本では『ゴルフ狂時代』というタイトルが付いていることもあります。

チャップリンが放浪者と裕福な紳士の一人二役を演じるコメディです。風刺が効いています。

 

このところサイレント映画を続けて観ていたら、妙な気持ちになりました。それは映画を観ていてとても楽なのです。字幕を読む必要がないからです。そのくせストーリーはよくわかるし、登場人物の心情もよく伝わります。言葉とはなんだろう、などと考えてしまいました。サイレント映画の凄さを改めて感じた次第です。

動作も倍速モードで観ているようで、最近流行りのタイパ(タイム・パフォーマンス)に打って付けで、サイレント映画こそ今の時代にジャスト・フィットなのではないでしょうか。

 

そういえば先日キネマ旬報ベスト・テンなる催しの招待状を当劇場でもらったのですが、残念ながら急用ができていけませんでした。

この催しは歴史が古く、第1回の開催が1924年です。そしてその第1回のベスト・テンの第1位に選ばれたのがこの『巴里の女性』だそうです。なんとも長い歴史です。

 

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それでは今日はこの辺で。