今日の「聴き比べ」は黛ジュンさんの『夕月』です。
1968年の大ヒット曲です。黛ジュンさんにとっての5枚目のシングルで、その前の『天使の誘惑』はこの年のレコード大賞を受賞しています。その『天使の誘惑』よりも売れたという曲です。作詞はなかにし礼、作曲は実兄の三木たかしです。
黛ジュンさんは1948年生まれで、1964年に本名の渡辺順子でデビューするもパッとせず、1967年に石原プロに移籍し、東芝から「黛ジュン」として『恋のハレルヤ』で再デビューしました。これがヒットし、その後も『霧のかなたに』『乙女の祈り』と連続ヒットを飛ばし、『天使の誘惑で』が大ヒット、レコード大賞に輝きました。当時のグループ・サウンズ・ブームに乗ってポップス然とした楽曲が若者中心に受け入れられました。
この『夕月』はそれまでのポップス調から純日本調のメロディーが逆に珍しく、受けたのだと思います。この大ヒットにあやかって映画化までされました。彼女が主演で、相手役には森田健作、前千葉県知事が選ばれました。彼のデビュー作でした。
その後、1970年に結婚で一旦引退、その後離婚で芸能界へ復帰も、かつてのようにヒット曲には恵まれず、一時期は日活のロマンポルノへの出演などもありました。これには驚きました。その後は歌手として活動し、現在もたまにテレビの歌謡番組で見かけます。
夕月
作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし
おしえてほしいの 涙のわけを
見えるもののすべてが 悲しく見えるの
夕月うたう 恋の終わりを
今でもあなたを 愛しているのに
おしえてほしいの 私の罪を
許されるものなら あやまりたいの
夕月さえて 心はいたむ
あまりにいちづに 愛しすぎたの
おしえてほしいの 忘れるすべを
つきまとう幻影 あなたの面影
夕月だけに 愁いを語る
涙をあなたに ふいてもらいたい
由紀さおりさんがカバーしています。
香西かおりさんです。
それでは今日はこの辺で。