久しぶりの競馬記事になります。
前回は1986年の牝馬3冠に輝いたメジロラモーヌについて書きましたが、その陰で牡馬の3冠レースはどうだったのでしょう。
まず3歳時(今の2歳)に凄い馬が現れました。ダイシンフブキです。騎手は菅原泰夫。9月の中山のデビュー戦を4馬身差で勝ちあがり、続く東京の特別戦りんどう賞も3馬身差で勝ちます。
続くレースは京成杯3歳ステークスです。このレースには後の牝馬3冠のメジロラモーヌが出走してきました。5頭立てと寂しいレースになりました。ダイシンフブキは2番人気になりました。レースの方はメジロラモーヌが大きく出遅れ、ダイシンフブキが直線抜けだし3馬身半差の楽勝でした。
続く朝日杯3歳ステークスも12頭立てと朝日杯としてはやや寂しいレースになりましたが、ダイシンフブキが単勝170円という圧倒的人気で出走しました。レースの方も女傑ダイナアクトレスの追い込みを交わし優勝、最優秀3歳牡馬に選ばれました。
しかしこの年はその他に目立った馬がおらず、牝馬に比べ寂しいクラシック戦線になりました。
明けて4歳、クラシック戦線は1月の京成杯が牝馬のダイナフェアリー、シンザン記念がフレッシュボイス、2月の共同通信杯がダイナガリバー、きさらぎ賞がフミノアプローズ、そして3月の弥生賞がダイシンフブキ、毎日杯がフレッシュボイス、皐月賞トライアルフジテレビ賞スプリングステークスはサニーライトと勝馬が目まぐるしく変わる混戦模様となりました。
そして迎えた皐月賞。1番人気には当然ながら5連勝中のダイシンフブキ、2番人気には共同通信杯を勝ったダイナガリバー、3番人気には弥生賞1番人気ながら4着に敗れたアサヒエンペラー、重賞連覇中のフレッシュボイスが4番人気に、弥生賞2着のダイナコスモスは5番人気になりました。
レースはダイシンフブキが好位置につけ、直線抜けだすかと思われましたが、意外と伸びず、ダイナコスモスが抜けだし、フレッシュボイスの追い込みを制し優勝しました。3着にアサヒエンペラーが入り、ダイシンフブキは7着と惨敗しました。
ダイシンフブキは戦前から2000メートルは長すぎるとの見方がありましたが、同距離の弥生賞を勝っていたため1番人気に支持されたのでしょう。レース後には骨折が判明し、そのまま引退となってしまいました。その後種牡馬入りするも目立った活躍は産駒は出ませんでした。
そしてダービートライアルNHK杯は関西の刺客ラグビーボールが制し、関西の最終キップ、京都4歳特別はエイシンガッツが勝ち東京に乗り込んできました。
1番人気にはNHK杯を勝ったラグビーボールが押されました。未知の能力が変われたのでしょう。2番人気には皐月賞馬のダイナコスモス、3番人気にはダイナガリバー、4番に気にはNHK杯2着のシンチェスト、5番人気にサニーライトが入りました。23頭立てのレースとなりました。当時はまだまだ18頭立てではありませんでした。前年より24頭立ての制限が付きました。それまでは28頭立てでした。そして1991年からは20頭、1992年から現在の18頭になりました。
レースは直線で先頭に立ったダイナガリバーが内で粘るグランパスドリームをかわし優勝しました。2着のグランパスドリームは青葉賞2着ながら14番人気の馬でした。3着にアサヒエンペラー、1番人気のラグビーボールは4着、皐月賞馬のダイナコスモスは5着と敗れました。勝ったダイナガリバーは好素質馬として期待され、共同通信杯も勝っていましたが、皐月賞での10着大敗が懸念されて3番人気になっていました。皐月賞の敗因はスプリングステークスが大雪のため1週延期になり、ぶっつけでの皐月賞出走が影響したようです。しかしダービーで見事うっぷんを晴らしました。
そして3冠最終レース、菊花賞に向けて秋のレースはセントライト記念でダービー14着のレジェンドテイオー、神戸新聞杯が同じくダービー18着のタケノコマヨシが勝って混戦模様に拍車をかけました。トライアルの京都新聞杯は神戸新聞杯に続きタケノコマヨシが制しました。
そしていよいよ菊花賞。1番人気はダービー後高松宮杯を制し、京都新聞杯5着のラグビーボール、2番人気は連勝中のタケノコマヨシです。3番人気はセントライト記念を勝ったレジェンドテイオー、4番人気にサニーライト、ダービー馬のダイナガリバーは5番人気でした。セントライト記念、京都新聞杯共に4着と振るわず人気を落としました。
レースはレジェンドテイオー以下が逃げ、ダイナガリバーが前目の中団、ラグビーボール、タケノコマヨシは後方からの競馬になりました。直線に入りダイナガリバーが内から先頭に並びかけ、それにメジロデュレンが襲い掛かり、後方からラグビーボールとタケノコマヨシが追い上げるという展開になり、結局メジロデュレンが半馬身差ダイナガリバーを押さえ優勝しました。3着にはラグビーボール、タケノコマヨシは5着でした。
メジロデュレンは前走の条件戦、嵐山特別3000メートルを勝っており長距離特性があるということで6番人気に押されていました。グリーングラス以来長距離の特別戦を勝った長距離血統の馬が穴をあけるという菊花賞のジンクスが生きました。
この年活躍した4歳牡馬はその後ダイナガリバーがこの年の有馬記念を、翌年の有馬記念をメジロデュレンが10番人気で制しており、再び穴をあけました。フレッシュボイスは翌年の安田記念を勝ちました。
しかしトータルで見ると、この年の牡馬クラシック戦線は牝馬に比べると抜けた馬がおらず、地味な印象を受ける年でした。
しかしこの後続々と名馬が登場します。
それでは今日はこの辺で。