アメリカの女性フォークシンガー、ジュディ・コリンズ(Judy Collins)。
彼女は1939年、ワシントン州シアトルの生まれです。クラシックを勉強しピアノを習っていました。その腕前は大したものだったらしいです。
1960年頃、ウディ・ガスリーやピート・シーガーの歌に触れ、フォークソングに目覚めました。そしてピアノをギターに変え歌うようになりました。
1967年までに7枚のアルバムを発表しています。なかでも1967年の第7作目の『野生の花(Wildflowers)』の中のジョニ・ミッチェルの「ボース・サイズ・ナウ(Both Size Now)」がビルボードの8位にランクされるヒット曲となり、1969年公開の映画『青春の光と影(Changes)』でも使用されました。日本でも『青春の光と影』という邦題がついてから売れました。それまではLPの中でも「ボース・サイズ・ナウ」となっていました。
ちょっと見づらいですがB面の1曲目に入っています。
1968年にアルバム『Who Knows Where The Time Goes』をリリースします。
Side A
1.Hello, Hooray
2.Story Of Isaac
3.My Father
4.Someday Soon
5.Who Knows Where The Time Goes
Side B
1.Poor Immigrant
2.First Boy I Loved
3.Bird On The Wire
4.Pretty Polly
参加メンバーは
ジュディ・コリンズ(Judy Collins,vo,p,g)
スティーヴン・スティルス(Steven Stills,g,b)
クリス・エスリッジ(Chris Ethridge,b)
ジェームス・バートン(Jamen Burton,g,dobro)
ジェームス・ゴードン(James Gordon,ds)
ヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks,p)
バディ・エモンズ(Buddy Emmonds,steel)
プロデュースはデヴィッド・アンダール(David Anderle)です。
何といっても注目はスティーヴン・スティルスの参加でしょう。これでジュディとスティルスは恋人同士になりますが、すぐに別れてしまいます。その悲しみをスティルスはアルバム『CS&N』の中の「組曲:青い眼のジュディ(Suite: Judy Blue Eyes)」という曲で歌っています。
アルバムの方は、まだまだ無名だったレナード・コーエンの曲を2曲(A-2,B-3)も取り上げています。前作では3曲も取り上げていました。それにイアン・タイソン(A-2)、サンディー・デニー(A-5)、ボブ・ディラン(B-1)、インクレディブル・ストリング・バンド(B-2)をカバーしています。A-1はアリス・クーパーも取り上げた曲。
参加メンバーを見てもこれまでのアコースティック・フォークアルバムからロックにやや近づいた感があります。カントリー・タッチのA-4などは新しい一面を見せます。サンディー・デニーのA-5は聴きどころとなっています。もちろんサンディーもいいですがジュディの声も合っています。
私などはジュディ・コリンズというとすぐに『青春の光と影』、そして当時のアメリカンニューシネマを思いだ出してまいます。この映画はニューシネマの分類には入っていなかったかもしれませんが、私の中では『俺たちに明日はない』『卒業』『真夜中のカウボーイ』『イージーライダー』『明日に向かって撃て』『いちご白書』等々の映画が次々と浮かび上がってきます。それだけこの歌の思い出はなぜか強烈でした。
ジュディ・コリンズ、滅多なことでは聴かなくなってしまいましたが、『野生の花(Wildflowers)』と並んで思い出の名盤です。
Judy Collins - Both Sides Now (Official Audio)
Judy Collins - I Pity The Poor Immigrant
それでは今日はこの辺で。