1979年か80年頃頃だったでしょうか。関西からある一人のシンガーの曲が売れ始めました。ラジオからは始終流れ始め、街中でも色々な店で聴かれるようになりました。確かにいい曲でした。AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)人気が盛り上がっている頃でした。
歌手の名前はディック・セント・ニクラウス(Dick St.Nicklaus)、曲の名前は「マジック(Magic)」です。
これは、当時の流行のまさにAORでした。アルバム名も『マジック(Magic)』でした。
Side A
1.Magic
2.Help Yourself
3.What's the Reason
4.Can't Give Up
5.Our Goodbye
Side B
1.Born To Love You
2.Sad Price To Pay
3.She's My Music
4.Changing
レコーディング・メンバーは
ディック・セント・ニクラウス(Dick St.Nicklaus,vo,key,synthe,g)
リランド・スクラ―(Leland Sklar,b)
スティーヴ・シェーファー(Steve Schaeffer,ds)
ミッチ・ホルダー(Mitch Holder,g)
ビル・メイズ(Bill Mays,key)
ジェイムス・ホーン(James Horn,sax)
ベルトン・レイ・バンチ(Velton Ray Bunch,key,Orchestrated)
その他ホーンセクション、バック・ヴォーカルなど多数。
プロデュースはディック・セント・ニクラウスとベルトン・レイ・バンチです。
ディック・セント・ニクラウスという人は当時のプロフィールを見てもワシントン州のヤキマの出身ということぐらいしかわかっていません。年齢不詳。
1960年代には「ルイルイ」のヒットで有名な『キングスメン(The Kingsmen)』にドラマーとして在籍していたということですが、キングスメンのメンバークレジットを見るとドラマーはディック・ピーターソン(Dick Peterson)となっています。この両者は同一人物なのでしょうか。謎です。
レコードの方はというと、何といってもA面1曲目の「マジック」が最高です。哀愁漂うメロディーとテンポの良いリズム。もちろんこの曲が目的で買ったのですが、予想外に他の曲もいい曲が揃っています。
A-3、A-5、B-4のバラードなどは絶品です。当時のAORを代表する様なサウンドです。AORに向かったボズ・スキャッグスのようです。
その後来日公演もしたと思います。しかし、彼の人気は日本のみだったようです。本国のアメリカではほとんど売れなかったようです。
この翌年には2枚目のアルバムが日本だけで発売されたようですが、鳴かず飛ばずのようでした。一発屋と言っては失礼かもしれませんが、その通りだったと思います。しかしこのアルバムは捨てたもんじゃありませんでした。
Dick St. Nicklaus - What's The Reason
Dick St. Nicklaus - Our Goodbye
Dick St. Nicklaus - Born To Love You (1979)
それでは今日はこの辺で。