「懐かしのヘヴィメタ・シリーズ」(いつの間にかシリーズになっています)、今日はスティーラー(Steeler)です。
インギー(イングヴェイ・マルムスティーン:Yngwie Malmsteen,g)がアメリカに渡って、初めて参加したバンドがスティーラーでした。いわゆるスーパー・バンド的なグループでした。1983年にたった1枚のアルバムを残しただけで解散しました。
リーダー格は後にキール(Keel)を結成するロン・キール(Ron Keel,vo)で、元々は1981年の結成です。この時のメンバーはマイク・ドゥニガン、ボビー・エヴァ、ティム・モリソンという顔ぶれでしたが、シングル1枚をリリースして3人のメンバーはバンドを去りました。
代わってマーク・エドワーズ(Mark Edwards,ds)が加わり、さらに19歳のスウェーデン人イングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie Malmsteen,g)を加入させ、そしてリック・フォックス(Rick Fok,b)も加わってメンバーが揃いました。
今思えばスウェーデン人のインギーがなぜLAメタルのバンドに加入したか不思議ですが、当時はスウェーデンの音楽事情もまだまだロックに対する状況も芳しいものではなく、彼も活動の場を広げようと自身のデモテープを送ったりしていたところ、アメリカのSharpnelレコードのマイク・バーニーの耳に留まり、アメリカに呼ばれスティーラーに加入させられたというのが実情のようです。
そしてスティーラーは1983年デビューアルバムをリリースしました。
タイトルは『Steeler』です。
Side A
1.Cold Day in Hell
2.Backseat Driver
3.No Way Out
4.Hot on Your Heels
Side B
1.Abduction
2.On the Rox
3.Down to the Wire
4.Born to Rock
5.Serenade
プロデュースはマイク・バーニー(Mike Varney)です。
インギーが曲作りに参加したのは2曲のみで、あとはロン単独かロンとマークの共作です。ロン・キールは全曲で参加しています。これはインギーが参加したときにはほぼ曲作りが出来上がっていたからです。このあたりにも不満はあったのでしょう。
アルバムの方はLAメタルにインギーのギターによるネオクラシカルな要素が組み合わさったアルバムで、インギーの速弾きギターが楽しめました。
インギーはアルバムリリース後、すぐにバンドを去ります。そしてレインボー(Rainbow)のグラハム・ボネット(Graham Bonnett)に誘われアルカトラス(Alcatrazz)に参加します。
スティーラーはギタリストにミッチ・ペリー(Mitch Perry,g)を加入させます。
しかし、その後もメンバーを全員入れ替えたりしましたが、結局解散に至りました。
ロン・キールはあたらなバンド、キール(Keel)を結成します。
マーク・エドワーズはライオン(Lion)に参加します。
スティーラーは短い活動期間でしたが、LAではそこそこの人気を獲得しました。しかし、このバンドが未だに多くの人に聴かれるのはひとえにイングヴェイ・マルムスティーンのお陰かもしれません。
Steeler -01- Cold Day In Hell (HD)
Steeler -04- Hot On Your Heels (HD)
それでは今日はこの辺で。