Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『夕陽の丘』の謎

とっても古い映画の話で恐縮ですが、日活時代の石原裕次郎の映画の中でも『赤いハンカチ』や『錆びたナイフ』と共に大好きな映画が『夕陽の丘』です。

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この映画の公開は1964年で、封切当時は観ていません。初めて観たのはおそらく学生時代に池袋の「文芸座」での5本立てオールナイトだったと思います。

 

ストーリーはヤクザ者の裕次郎が兄貴分の情婦・浅丘ルリ子と恋仲になり、それを知って脅した同じヤクザ男を殺してしまいます。ルリ子は函館の妹の住所を教え、そこに行くようにと裕次郎を逃がしました。

裕次郎は函館に行き、ルリ子の妹に会いますが、これが姉そっくりなのです。浅丘ルリ子の二役です。兄貴分も裕次郎を追って函館にやってきます。別の組の殺し屋も絡んで殺し合いになり、結局姉は兄貴分に撃たれて死んでしまいます。

裕次郎に好意を持った妹は「もう、この町を出ようと思う」と裕次郎に告げますが、裕次郎は「どこへ?」と聞くと、妹が自分についてきたいと感じた裕次郎は「俺と一緒では君は不幸になる」、「俺は誰も愛していなかったのかもしれない。愛していたらこの町には来なかったはずだ」と言って、一人海岸を歩いて去って行きます。このラストシーンが何とも言えずカッコいいのです。

 

「謎」と書いたのは、この映画の主題歌のことです。この主題歌「夕陽の丘」は石原裕次郎浅丘ルリ子のデュエットソングです。映画を観るまえからこの歌は知っていて、大好きな曲でしたので映画も楽しみでした。


石原裕次郎&浅丘ルリ子 - 夕陽の丘

 

夕陽の丘

作詞:萩原四郎

作曲:上原げんと

 

夕陽の丘の ふもと行く

バスの車掌の 襟ぼくろ

わかれた人に 生き写し

なごりが辛い たびごころ

 

かえらぬ人の 面影を

遠い他国で 忘れたさ

いくつか越えた 北の町

目頭うるむ たびごころ

 

真菰の葦は 風にゆれ

落葉くるくる 水に舞う

この世の秋の あわれさを

しみじみ胸に バスは行く

 

夕陽の丘を 見上げても

湖の畔りを 訪ねても

かいなき命 あるかぎり

こころの傷は また疼く

 

人の子ゆえに 恋ゆえに

落ちる夕陽が 瞳にいたい

さよなら丘の たそがれよ

また呼ぶ秋は ないものを

 

以上がよく知られて、ヒットしたオリジナルの歌詞です。1番、3番が裕次郎、2番、4番がルリ子、5番がデュエットです。

 

ところが、この歌詞は映画では使われませんでした。

ラストで裕次郎が海岸を夕陽に向かって歩いていくシーンでこの主題歌が流れるのですが、歌詞が違うのです。

 

帰らぬ人の 思いは遠く

求めて虚しい 愛の証

かいなき命 あるかぎり

こころの傷は また疼く

 

去り行く人の 悲しみに

沈む夕陽が 瞳にしみる

一人の影は 終わりなく

最果ての旅は 何処へか

 

1番を裕次郎、2番の途中までがルリ子、その後裕次郎です。

 

映画を観ていて、あれっ、と思い、その後色々調べましたが理由はわかりませんでした。でも、この歌詞の方が映画に合っているかなと、あとになって納得しました。

 

この歌詞はレコードにもなっていないと思います。どうしてもその歌詞を知りたくて、後年DVDを買って聞きとったものです。

 

どうでもいいことですが、長年気になっていたので書いてみました。浅丘ルリ子さん、かわいかったな。

 

 

それでは今日はこの辺で。