今日の「懐かしのヘヴィメタ・シリーズ(懐メタ)」はイナフ・ズナフ(Enuff Z'nuff)です。
ヘヴィメタというのも憚られるくらいポップなバンドです。
結成は1984年、イリノイ州のブルー・アイランドです。ドニー・ヴィー(Donnie Vie,vo)とチップ・ズナフ(Chip Z'nuff,b)を中心にジーノ・マルティーノ(Gino Martino,g)、B.W. ボウスキー(B.W. Boeski,ds)が加わってスタートしました。
その後、ジーノとB.W.ボウスキーが脱退し、代わりにデレク・フリーゴ(Derek Frigo,g)とヴィック・フォックス(Vik "Vikki" Foxx,ds)が加わって、1989年、メジャーのアトコ・レコードから『Enuff Z'nuff』でデビューしました。
このアルバムは全米で74位に達しました。シングルヒットも2曲生まれました。
その派手な容貌からはポイズンの後継者のような見方をされたことに不満を持っていたようです。音楽的にはメロディックなパワーポップが芽生えていました。基本は明るめのロックンロールです。
1991年にはセカンドアルバム『Strength』がリリースされます。
このアルバムは評価こそ高かったものの、商業的には前作に遠く及びませんでした。アトコは強力にバックアップしましたが、失敗し契約を破棄しました。
今度はアリスタ・レコードに移籍し、1993年にサードアルバム『Animals With Human Intelligence』をリリースしたのです。
01.Superstitious
02.Black Rain
03.Right By Your Side
04.These Daze
05.Master of Pain
06.Innocence
07.One Step Closer to You
08.Bring It On Home
09.Takin' a Ride
10.The Love Train
11.Mary Anne Lost Her Baby
12.Rock N World
プロデュースはリッチー・ズィト(Richard Zito)とメンバーです。
このアルバムは日本ではそこそこ売れましたが、アメリカではさっぱりでした。
すでに世に中はグランジ・ブームでしたが、このアルバムはそれをものともせずパワーポップ全開です。甘酸っぱいメロディーが満載でハスキーヴォイスがぴったりマッチしていて聴き惚れてしまいます。まあ、多少少女趣味的なところはありますが。ビートルズやチープ・トリックを意識しているというのは頷けます。
アリスタとの契約は解除されました。
実は初めてイナフ・ズナフを聴いた時には、「なんだ、お子様向けバンドか」、と思いしばらく聴きませんでした。しかし、しばらく経ってからこのサードアルバムを聴いてみたら、これがいいんですね。人間の耳なんていい加減なものです。それ以来愛聴盤になっています。
この後、ヴィック・フォックスがヴィンス・ニールに引き抜かれ、代わりにリッキー・ペアレント(Ricky Parent,ds)が加入、さらにデレク・フリーゴも薬物問題で脱退します。
1994年にはトニー・ヴィ―とチップ・ズナフが「チップ&ドニー」名義で『Brothers』をリリース。これは日本のみの発売で、1997年になってアメリカで『Seven』として発売されました。
さらに1994年には未発表音源の『1985』も発表されました。
バンドとしては同年『Tweaked』がリリースされました。
1997年にはアルバム『Paraphernalia』をリリースします。
これも日本先行発売でした。ギターにジョニー・モナコ(Johnny Monaco.g)が加わりました。
2000年に『10』、2002年に『Welcome To Blue Island』を発表します。
ドキッとする様ないい曲が散りばめられていますが、全体的にはやはりサードアルバムまでのイナフ・ズナフには及びません。
ということで、私のイナフ・ズナフはここまでです。
このあと、デビュー当時のメンバーが集まってアルバム『?』をリリースします。
中身はどうなんでしょうか?
どうやらバンドは現在も活動中のようです。頑張ります。
Enuff Z'Nuff Right By Your Side Music Video (Good Quality)
ENUFF Z'NUFF - mAry aNnE loST hEr bABy
Enuff Z'Nuff - One Step Closer To You
それでは今日はこの辺で。