今日の「聴き比べ」は『お父帰れや』です。
私がこの曲を知ったのは、岡林信康大先生のファーストアルバム『私を断罪せよ』でした。
まだまだ出稼ぎ労働というものがあった時代です。この曲を聴いただけで、東北地方の貧しい農家の姿が目に浮かぶようです。
お父帰れや
作詞:白井道夫
作曲:白井道夫
風に追われてお父が消えた
峠の向こうににじんで消えた
山の畑は 雪の下
足んねぇ足んねぇででかせぎ暮らし
余りものちゅうてお父の茶椀
主ねぇハシのにくらしさ
せめて夢でもお父にあいてぇ
クレヨンかかえてせがれが泣いた
お父の顔がかけねえよと
お父がいねぇで夜が長すぎる
夜なべ仕事にむしろをあもか
むしろあむより縄をなえ
縄がなえたらお父よもどれ
腰にゆわえてせがれにもたそ
ことしゃどこへもゆかねよに
峠をそめて朝日がのぼる
山の向こうにもう陽が沈む
はかのいかねぇ野良しごと
これはライブです。
この曲を赤い鳥も歌っていたということは少し後になってからでした。あまりにもアレンジが違うので驚いたことを憶えています。
赤い鳥バージョンは竹田の子守唄のようなアレンジできれいなコーラスが聴かせどこになっています。
原曲を聴いたことが無いのでどちらが原曲に近いのかはわかりませんが、私としてはやっぱり岡林先生の楽曲が出稼ぎ労働者の家族の悲哀を現わしているように思います。
高石友也先生も歌っているのですが、映像がありませんでした。残念。
いずれにしても60年代当時のアングラ・フォークを代表する1曲でした。
それでは今日はこの辺で。