Flying Skynyrdのブログ

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この人の、この1枚 『コールド・ブラッド(Cold Blood)/Lydia Pense And Cold Blood』

今日の「この人の、この1枚」はコールド・ブラッド(Cold Blood)の事実上のラスト・アルバム『Lydia Pense And Cold Blood』です。

 

私などはコールド・ブラッドについては1973年公開の映画フィルモア最后のコンサート』でその存在を知ったぐらいで、当時でもそれほど知名度は高くなかったと思います。

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

この映画にも出演していたタワー・オブ・パワー(Tower of Power)のような、R&B、ファンク系のバンドです。といっても、当初はタワー・オブ・パワーほどソウル色は強くなく、どちらかというとシカゴ(Chicago)BSTに似たようなブラスロックに近かったかもしれません。

 

1968年の結成ですから、サンフランシスコ・ロックが絶頂期を迎えるころの結成です。当初のメンバーは

Larry Field (g)

Lydia Pense (vo)

Danny Hull (sax)

Larry Jonutz (tp)

Pat O'Hara (tb)

Raul Matute (org, p)

Jerry Jonutz (sax)

David Padron (tp)

Rod Ellicott (b)

Frank Davis(ds)

でした。

 

ボーカルの女性リディア・ペンスジャニス・ジョプリンとも比較されるソウルフルな歌い方で、バンドの売りでした。彼らはフィルモアの支配人であるビル・グラハムに見いだされ、レコードデビュー『Cold Blood』も彼のレーベルであるサンフランシスコ・レコードからリリースされました。1969年でした。映画にも登場させるくらいですからビル・グラハムも相当力を入れていたのでしょう。

 

1970年にはセカンドアルバム『Sisyphus』がリリースされます。このアルバムをリリース後、バンドはリプライズに移籍します。

 

リプライズから立て続けに3枚のアルバムをリリースします。1972年には『First Taste of Sin』です。このアルバムはダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)がプロデュースしました。この辺りからソウル、ファンク色がより強くなってきます。

 

そして1973年には、彼らのアルバムの中では評判の高い『Thriller! 』がリリースされました。

このアルバムではスティーヴィー・ワンダーザ・バンドボズ・スキャッグス、ビル・ウィザースの曲をカバーしています。

 

そして1974年には5枚目のアルバムとして『Lydia』がリリースされました。プロデュースにはティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)が起用されました。このジャケットに魅せられました。

 

この後、バンドはリプライズを去りabcレコードと契約します。そして1976年に『Lydia Pense And Cold Blood』をリリースします。

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Side A

1.We Came Down Here & Cold Blood Smokin' (Medley)

2.I Get Off On You

3.Drink The Wine

4.I Got Happiness

5.Feel The Fire

 

Side B

1.Let Me Be The One

2.Back Here Again

3.I Love You More Than You'll Ever Know

4.Blinded By Love

5.It Takes A Lotta Good Lovin'

 

このころにはメンバーもすっかり代わっています。

当初のメンバーのLarry Field (g)、Larry Jonutz (tp)、Pat O'Hara (tb)、Jerry Jonutz (sax)、David Padron (tp)、Rod Ellicott (b)、Frank Davis(ds)はすでに抜けており、代わりにMax Hasket(tp,vo)、Michael Sasaki(g)、Harvey Hughes(ds)、Domingo Balinton(b)が加わっています。

プロデュースはボブ・モナコ(Bob Monaco)です。

 

このアルバムはコールド・ブラッドの中でもほとんど話題にも上がりませんでした。ひねくれものの私はあえて取り上げました。というのもB面の3曲目にアル・クーパー「I Love You More Than You'll Ever Know」がカバーされているのです。この曲を聴くだけでもこのアルバムの存在価値はあると思っています。この曲は3枚目をプロデュースしたダニー・ハサウェイもカバーしています。全体的にはファンク色の強いアルバムとなっています。

このアルバムをもってコールド・ブラッドは解散します。

 

2000年代に再結成されて、現在も活動中のようです。オリジナルメンバーはリディアだけのようです。

それにしてもコールド・ブラッドのCDが発売されているとは驚きました。

 


Cold Blood - "I Got Happiness"

 


Lydia Pense & Cold Blood - I Love You More Than You'll Ever Know


lydia pense & coldblood - blinded by love


It Takes A Lot Of Good Lovin'

 

それでは今日はこの辺で。