今日の聴き比べは『カスマプゲ』です。
なぜかこんな歌を思い出してしまいました。
私はこの曲を韓国の女性歌手李成愛(当時の呼び名は「リ・セイアイ」と言ったと思います)が歌っていたことで知ったのですが、元歌は違っていました。まして韓国の歌だとは思いませんでした。韓国人歌手が日本で人気になった最初の歌手だったように記憶しています。
この曲の元歌は韓国人歌手の南珍(ナムジン)です。作詞・作曲も韓国人です。ですかられっきとした韓国の歌です。どう聴いても日本の演歌のようです。1967年の韓国での大ヒット曲だそうです。
「カスマプゲ」とは「胸が苦しい(痛い)」というような意味です。
가슴아프게
作詞:鄭斗守
作曲:朴椿石
歌唱:南珍
당신과 나 사이에 저 바다가 없었다면
쓰라린 이별만은 없었을 것을
해 저문 부두에서 떠나가는 연락선을
가슴 아프게 가슴 아프게 바라보지 않았으리
갈매기도 내 마음같이 목메어 운다
당신과 나 사이에 연락선이 없었다면
날 두고 떠나지는 않았을 것을
아득히 바다 멀리 떠나가는 연락선을
가슴 아프게 가슴 아프게 바라보지 않았으리
갈매기도 내 마음같이 목메어 운다
この曲を日本で美川憲一が1976年にカバーしました。訳詞は星野哲郎でした。
カスマプゲ(胸の痛みに)
作詞:鄭斗守
作曲:朴椿石
訳詞:星野哲郎
歌唱:美川憲一
涙拭けても このハンカチで 恋のみれんはぬぐえない
夕陽こぼれる 対馬をみれば
カスマプゲ カスマプゲ とてもせつないの
逢いたさに 逢いたさに泣けてくる
だれがひいたか 水平線の 波にかくれた国境
おさえつければ なおさらつのる
カスマプゲ カスマプゲ 辛いこのきもち
かもめにも かもめにもわからない
とべる翼を もたない私 海をみつめて泣くばかり
鴎 伝えて 釜山の空へ
カスマプゲ カスマプゲ 胸がせつないの
とめどなく とめどなくでる涙
残念ながら映像がありません。
1977年に韓国人歌手李成愛が歌って日本でも大ヒットしました。
カスマプゲ
作詞:鄭斗守
作曲:朴椿石
訳詞:申東運
歌唱:李成愛
海が二人を引き離す とても愛しいひとなのに
波止場を出て行く 無情の船は
カスマプゲ カスマプゲ パラボジ アナッスリ
会いたさに 会いたさに 泣けてくる
どらが 鳴る鳴る 別れの船が 愛しい人を 乗せて行く
一緒に 行きたい 私の心
カスマプゲ カスマプゲ パラボジ アナッスリ
恋のつれなさに 泣けてくる
この後、チョー・ヨンピルの「釜山港へ帰れ」がヒットし、キム・ヨンジャ、ケイ・ウンスクなど韓国人歌手が日本でもヒットを飛ばすようになりました。この曲はその先駆けとなりました。
韓国にも歌謡曲なるジャンルがあって日本でいう演歌っぽい曲はトロットと呼ばれるそうです。
それでは今日はこの辺で。