先日のキネ旬シアターは『天国にちがいない』でした。
監督:エリア・スレイマン
製作:2019年 フランス、カタール、ドイツ、カナダ、トルコ、パレスチナ、2021年 日本公開
イスラエル・ナザレ出身のパレスチナ人、エリア・スレイマンが監督・主演した映画です。監督自身11年ぶりのメガホンです。
この映画はカンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞を受賞しました。
ストーリーはほとんどありません。監督が映画の企画を売り込む為にナザレからパリ、ニューヨークを旅するという設定です。
主演のエリア・スレイマンは一言もしゃべりません。会話もほとんどありません。
イスラエル、パリ、ニューヨークの風景、光景、日常の出来事を切り取って画面に張り付けているような感じです。
固定カメラによって切り取られたその光景や風景の構図が素晴らしく、絵画作品を観ているような気分になります。
ユーモアあふれるシーンやドキッとするシーンが何の脈絡もなく次々と登場します。窓から飛び込んできた小鳥と仲良しになるシーンなどは心温まります。
監督自身はパレスチナ人としての何らかのメッセージを込めた映画なのでしょうが、そういったものを抜きにしても十分楽しめる映画でした。
ニーナ・シモンが歌う「スペル・オン・ユー」が聴けます。
世界の混迷と人間の愛おしさを描く 映画『天国にちがいない』予告編
それでは今日はこの辺で。