原作: フランソワ・ボワイエ
監督:ルネ・クレマン
音楽: ナルシソ・イエペス
出演:ブリジット・フォッセー、 ジョルジュ・プージュリー
製作:1952年 フランス
いったい何年ぶりでしょうか、この映画を劇場で観るなんて。日本では1953年の公開ですから私などリアルタイムで観られるはずもありません。記憶はあやふやですが、おそらく学生時代にどこかの名画座で観たのだと思います。その後もビデオで何回か観ています。この映画はアカデミー賞外国映画賞、ベネツィア国際映画賞の金獅子賞(最高賞を受賞しています。
この度、キネマ旬報シアターでこの映画が1週間限定で公開されました。懐かしさのあまり観に行ってしまいました。ちょうど今起きているロシアとウクライナの戦争による市民や子供たちの被害をテレビで見るにつけ、この映画をダブらせてしまいました。特に映画の冒頭シーン(ドイツ軍の空爆から逃れるために市民が逃げ惑うシーンや少女の両親が空爆によって死んでしまうシーン、死体を穴に放り込むシーン)などは現在のウクライナの状況を見ているようで胸が痛くなります。
映画の詳しい内容については今更書くつもりもありませんが、ドイツによる爆撃で戦争孤児になった5歳の少女と農家の少年の交流を描いた映画です。
ラストシーンでの少女が少年を探し求めるシーンでは涙があふれてきました。昔観た時には涙は出なかったと思いますが、やはり歳ですね。
主演の女の子ブリジット・フォッセーの演技が素晴らしいのです。彼女の哀しげな表情は見ているだけで涙が溢れます。昔、この映画を観た後に、アラン・ドロン主演の映画『さらば友よ』に出演しているのを観て驚いた記憶があります。美しい女優さんになっていました。それとフランソワ・トリュフォー監督の『恋愛日記』にも出演していました。
この映画で忘れてならないのは音楽ですね。ナルシソ・イエペスのギターとメロディーが胸を打ちます。ギターの習い始めはだいたいこの曲を練習したものでした。
この日、同時上映で『ひまわり』が上映されました。全席販売されました。取材のカメラもあって、どうしたのかな?と思ったら、NHK のニュースでこのキネマ旬報シアターで『ひまわり』が上映されていることを報道していました。やはりロシア・ウクライナ戦争の影響でしょう。後日、劇場の責任者がインタビューに応えて、収益の半分を寄付する旨の発言をしていました。この活動はいま全国に広まっているようです。
やはりこの『禁じられた遊び』の上映もその一環なのでしょう。
それでは今日はこの辺で。