監督:ロイ・アンダーソン
主演:レスレイ・リヒトワイズ・ベルナルディ、アーニャ・ノバ
製作:2019年 スウェーデン、ドイツ、ノルウェイ 2020年日本公開
「この世に絶望し、信じるものを失った牧師。戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップル…悲しみは永遠のように感じられるが、長くは続かない。これから愛に出会う青年。陽気な音楽にあわせて踊るティーンエイジャー…幸せはほんの一瞬でも、永遠に心に残り続ける―。人類には愛がある、希望がある。だから、悲劇に負けずに生きていける。悲しみと喜びを繰り返してきた不器用で愛おしい人類の姿を万華鏡のように映した」映画です。(公式ホームページより)
監督のロイ・アンダーソンは前作『さよなら、人類』でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝いた監督です。今作品でも同映画祭で最優秀監督賞を受賞しました。
高台のベンチに背中を向けて座る夫婦と思しき男女の会話、「もう9月ね」で始まる映画は33シーンがそれぞれワンカット・ワンシーンで撮られており、時おりナレーションによって説明がなされます。それぞれのシーンは無関係で、オムニバス形式のようになっています。ただ一つ、信仰を失った牧師さんが何度か登場します。
全体のあらすじというものはありません。1シーンごとにささやかな物語があるのです。絶望があったり、幸せがあったり、悲しんだり、笑えたり、なんとも不思議な感覚に捕らわれる映画でした。
映画は動きも会話もほとんどなく、静謐で、次から次へと移る映像の美しさはまるで絵画を観ているようでした。
それでは今日はこの辺で。