先日のキネ旬シアターは『騙し絵の牙』でした。
監督:吉田大八
原作:塩田武士『騙し絵の牙』
公開:2021年 日本
本作品の原作は塩田武士の同名小説です。この小説は主演の大泉洋を4年間取材してあて書きした小説だそうです。
塩田武士はグリコ・森永事件をモチーフとした『罪の声』などが有名ですが、残念ながら私はこの作家の小説は未読でした。
出演者は錚々たる役者が揃いました。斎藤工、木村佳乃、中村倫也、佐野史郎、リリー・フランキー、塚本晋也、小林聡美、國村隼などです。
大手出版社の「薫風社」の社長が急逝したことにより、後継争いが激化。次期社長の有力候補の息子はニューヨークへの異動が決まっていました。役員会議で営業畑の専務の東松が社長に就任します。東松は会社のお荷物となっている文芸誌『小説薫風』とカルチャー誌『トリニティ』の廃刊を画策していました。そして新たな企画、KIBA計画を推し進めることを企んでいたのです。
『トリニティ』の変わり者編集長・速水(大泉洋)は雑誌を守ろうと奇策を講じます。そして壮絶な騙し合いが繰り広げられるのです。
どんでん返しに次ぐどんでん返し。そして最後に大逆転です。
観ていて飽きませんでした。
人たらし、大泉洋、面目躍如の映画です。この俳優さんは実に貴重な存在です。
出版業界の苦悩は現実です。東松の企ても、速水の企てもこれから出版業界が目指す方向かもしれません。いや、既にその方向で進んでいるのでしょう。
それでは今日はこの辺で。