先日のキネ旬シアターは『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』でした。
監督:香月秀之
製作:2021年 日本
熟年夫婦の終活をめぐる話をコメディ・タッチで描いた映画です。
菅野涼太は勤めていたIT会社が倒産し、葬儀社に就職が決まり、その初出勤日です。その葬儀社では「終活フェア」を開催するということで、その大量のパンフレットを配ることを命じられます。
一方、大原家。夫の真一、妻の千賀子、長女の亜矢の3人暮らし。長男は結婚し独立。真一は定年退職後10年間、家でブラブラ、亭主関白で家事は一切やらず。妻の千賀子はストレスが溜まるばかり。長女の亜矢は移動販売を営み、30歳過ぎでいまだに独身。真一は何とか結婚させようとしますが、亜矢は全く関心なし。真一はイライラ。
この夫婦は来年結婚50年を迎えます。夫婦喧嘩が絶えません。真一は麻雀仲間に、千賀子はコーラス仲間にそれぞれ愚痴をこぼすことでストレスを発散しています。
ある日、菅野が亜矢のキッチンカーで昼食を買いました。その時に「終活フェア」のパンフレットを忘れ、亜矢が気づき追いかけて返してくれました。菅野はついでにパンフレットと名刺を亜矢に渡しました。亜矢はそのパンフレットを千賀子に見せると、千賀子は興味を持ち、早速「終活フェア」に行ってみることにしました。
「終活フェア」での葬祭ディレクターのセミナーを聞くと、一家の主人が亡くなった時の手続きの大変さを知り、今後のことを前向きに考えることにしました。しかし、真一の方は相変わらずのわがまま放題で、夫婦喧嘩の毎日です。
そんな時、千賀子に異変が・・・。この後、真一にある変化が・・・。
ベタなドラマですが、なんとも身につまされます。私自身もそろそろ終活を考えねばならない年齢ですが、なかなか面と向かって向き合う気持ちにはまだなれません。
墓を決めたり、葬儀社を決めたりと、やることはいっぱいなのでしょうが、なんとなく逃げてます。これを機会に考えてみようか、なんて思っても、その場限りで、明日には忘れているでしょう。エンディング・ノートね~・・・。
映画では男女間、夫婦間の格言めいた言葉がいっぱい出てきて、「ああ、なるほど」と感心したりしましたが、映画館を出たらほとんど忘れてしまいました。重症です。一つだけ覚えているのは、女性とうまくやっていくための3つの言葉。「そうなんだ~」「わかる、わかる~」「大変だったね~」。男脳はすぐに解決策を考えてしまう。女性はただ愚痴を聞いてもらいたいだけ、なんだと。あっ、それとポール・ニューマン(だったと思う)の言葉。「夫婦がうまくいく秘訣。それはなるべく一緒にいる時間を少なくすることだ」と、なるほど名言です。
所々に挿入される「チューリップ」の楽曲が効果的でした。この日の観客はなぜかお年寄りの女性ばかりでした。シニア向けの映画でしょうから高年齢は当然と言えば当然なのですが、女性ばかりとは。やっぱり男は終活には目を背けたいのでしょうか。
それでは今日はこの辺で。