今日の「この人の、この1枚」はヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)の『Song Cycle)』です。
「書き忘れていた」シリーズの1枚です。言わずと知れた、知る人ぞ知る、知らない人は知らない、そんな奇才ヴァン・ダイク・パークスです。
彼の名を一躍有名にしたのは、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の1967年のアルバム『Smiley Smile』に収められた「Heroes And Villains(英雄と悪魔)』をブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)と共作したことでした。この曲はシングル・カットされ大ヒットとなりました。元々は前年にアルバム『Smile』の中の曲としてリリースされる予定でしたが、ブライアンの容態悪化のため急遽延期され、翌年『Smiley Smile』として発表されました。このアルバムはビーチ・ボーイズの中でも高評価を受けています。
彼は1964年にMGMレコードと契約し2枚のシングルをリリースします。1966年にはワーナー・ブラザーズに移籍し、スタジオ・ミュージシャン、作曲、編曲に携わり、先のビーチ・ボーイズと出会いました。
そして1968年に初のソロ・アルバム『Song Cycle』をリリースしたのです。一部の評論家からは絶賛されましたが、商業上は全くの不作でした。アメリカのニューオリンズ・ジャズやラグタイムなど伝統的な音楽と現代の音楽を組み合わせた独特の世界が繰り広げられました。
日本での発売は3年後の1971年だったと思います。
Song Cycle
Side A
1.Vine Street
2.Palm Desert
3.Widow's Walk
4.Laurel Canyon Blvd.
5.The All Golden
Side B
1.Public Domain
2.Donovan's Colours
3.The Attic
4.Laurel Canyon Blvd.
5.By The People
6.Pot Pourri
プロデュースはレニー・ワロンカー(Lenny Waronker)です。
A-1はランディ・ニューマン、B-2がドノヴァンの曲です。
何とも不思議な世界です。
1972年にセカンド・アルバム『Discover America』をリリースします。
1973年には我らがはっぴいえんどのアルバム『HAPPY END』のプロデュースを一部手掛けました。
その後も現在まで活動中です。
2019年には細野晴臣先生の映画『NO SMOKING』にも顔を出しました。
それでは今日はこの辺で。