先日のキネ旬シアターは『殺人狂時代』でした。
またまた「フォーエバー・チャップリン~チャールズ・チャップリン映画祭」の続きです。
監督・脚本・製作・音楽:チャールズ・チャップリン
原案・オーソン・ウェルズ
出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、イソベル・エルソム
製作:1947年 アメリカ合衆国、1952年 日本公開
前作『独裁者』から7年を経て公開されたチャップリンのユナイテッド・アーティスツ社での7作目です。
この映画はこれまでのドタバタ喜劇とはちょっと変わって、ブラックでしかもシリアスな内容となっています。チャップリンもこれまでの善人役から悪人役に変身しています。
内容はチャップリン演ずる銀行をリストラされた銀行員が家族を養うために殺人に手を染めていくという物語です。その銀行員は次々と裕福な中高年女性を騙し金を奪って、殺していくのです。
しかし、世界恐慌の煽りで妻子を亡くし絶望します。そしてある女性との再会から進んで逮捕され、死刑場へと向かいます。
この銀行員の言葉、『戦争や紛争、これは全てビジネス。1人の殺害は犯罪者を生み、100万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する。』
「1人を殺せば悪党だが、100人殺せば英雄だ」。なんとも凄いセリフです。
この映画の上映後、チャップリンはアメリカを追放されました。チャップリンは共産主義者として赤狩りの対象となってしまったのです。アメリカでこの映画が評価されるようになったのはベトナム戦争の反戦運動が盛んになってからのことでした。
100万人殺せば英雄、これは現代にも通ずる言葉です。現にロシアのプーチンは英雄気取りです。
それでは今日はこの辺で。