『イギリスの国民的バンド』とまで言われるようになったステイタス・クォー(Status Quo)です。
サヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)、フォガット(Foghat)などと並んでブギ・ロックの最高峰として君臨していますが、そのスタート時は意外な一面を持っていました。
1962年にフランシス・ロッシ (Francis Rossi,vo,g)を中心にアラン・ランカスター (Alan Lancaster,b)、ジェス・ジャウォースキー (Jess Jaworski,key)、アラン・キー (Alan Key,ds)というメンバーでスペクターズ(The Specters)というバンド名でスタートしました。
そして数年の間にドラマーがジョン・コーラン (John Coghlan,ds)に代わり、さらにキーボードもロイ・ラインズ (Roy Lynes,key)に代わりました。サイケデリックなシングルも3枚出しました。そしてバンド名をトラフィックに変更しました。しかし既にスティーヴ・ウィンウッドのトラフィックが存在していた為、すぐにトラフィック・ジャム(Traffic Jam)に変更しました。そしてキャバレーのバンドを演奏していた リック・パーフィット (Rick Parfitt,g)が加わった時に正式にバンド名をステイタス・クォーに改めました。
1968年にデビューシングル「Pictures of Matchstick Men」をリリースすると、これがイギリスで7位、アメリカでは12位となるヒットになりました。しかしこれが彼らのアメリカでの唯一のヒットシングルでした。
そしてファーストアルバム『Picturesque Matchstickable Messages From The Status Quo』をリリースします。
しかし、アルバムの方はチャートに上がりませんでした。この中からは3枚のシングルが生まれました。
続く1969年にはセカンドアルバム『Spare Parts』がリリースされます。
しかしこれは商業的には完全に失敗に終わりました。
こうしてステイタス・クォーのサイケデリック・ロック時代は終わりました。
3枚目のアルバム『Ma Kelly's Greasy Spoon』からは今のクォーに通ずるブギ、ロックンロールになっていきます。
1973年の通算6枚目のアルバム『Hello!』でイギリスのチャートで1位を記録し、不動の人気を獲得しました。
その後のクォーの活躍は周知のとおりですが、バンドのスタート時はサイケデリック・ロックをやっていたという意外な一面も持っていました。路線変更が大成功したいい例です。
結成から50年に亘って最前線で活躍してきたエネルギーには脱帽です。
サヴォイ・ブラウン、フォガットと共にイギリスのブギ・ロックを盛り上げてきた功績は計り知れません。
オリジナルメンバーはフランシス・ロッシのみになってしまいましたが、まだまだ頑張ってもらいたいものです。
Status Quo - Pictures of Matchstick Men (Studio-Stereo 1968)
Status Quo Ice In The Sun 1968
Status Quo - Black Veils of Melancholy (1968)
Status Quo "In The Army Now" (Live at Wacken 2017) - from "Down Down & Dirty At Wacken"
それでは今日はこの辺で。