ニール・ヤング(Neil Young)の1970年代のライヴ音源が2枚発売されました。1枚はオフィシャル盤ですが、もう1枚はブートレグです。
『Time Fades Away Tour』
01.On The Way Home
02.Here We Are In The Years
03.Harvest
04.After The Goldrush
05.Out On The Weekend
06.Old Man
07.Heart Of Gold
08.Time Fades Away
09.Lookout Joe
10.Sugar Mountain
11.Sweet Joni
12.Don't Be Denied
13.New Mama
14.Last Dance
15.Southern Man
16.Let's Have A Party (Closing)
1973年1月28日 ワシントンD.Cの「John F.Kennedy Center」での録音。FMラジオのために録音されたものです。プライベート盤です。
正規のライブアルバム『Time Fade Away(時は消え去りて)』が1973年に発売されていますが、その時のツアーの一部のライヴだと思います。ニール自身はこのアルバムが気に入らず、しばらくの間CD化されませんでした。
メンバーは『Harvest』の録音メンバーであるストレイゲイターズ(The Stray Gators)の面々です。
ケニー・バトラー(Kenny Buttrey,ds)
ティム・ドラモンド(Tim Drummond,b)
ベン・キース(Ben Keith,g)
ジャック・ニッチェ(Jack Nitzsche,p)
13曲目からからデヴィッド・クロスビー(David Crosby,g,vo)とグラハム・ナッシュ(Graham Nash,vo,g)が加わります。
本来ならばクレージー・ホースのダニー・ウィットン(Danny Whitten,g)が参加するはずでしたが、この前年の11月に亡くなっています。ニール・ヤングはショックは計り知れないものが有りました。
アルバムの方はバッファロー・スプリングフィールド時代の曲で始まって、ファーストソロから1曲。そしてストレイ・ゲイターズが加わってアルバム『Harvest』の曲、『Harvest』『Out On The Weekend』『Old Man』大ヒット曲『Heart Of Gold』へと続きます。さらに『時は消え去りて』に収録の『Time Fades Away』や『Don't Be Denied』そして『Last Dance』が続きます。そして名盤『Tonight's The Night(今宵その夜)』から『New Mama』と『Lookout Joe』。そしてお待ちかね『Southern Man』です。
肝心な音質の方は前半部分はまずまず聴けます。ただ、クロスビー&ナッシュが加わった13からは音質が極端に悪くなっています。これは録音日時と場所の違いだと思いますが、期待していた『Southern Man』は10分ほどの長尺で、ライブの名盤『4 Way Street』ほどではありませんが、熱のこもった演奏です。が、如何せん音が悪すぎました。もう少しいい音質で聴きたかったところです。
もう1枚は
『Roxy: Tonight's the Night Live』
01. Intro
02.Tonight's the Night
03.Roll Out the Barrel
04.Mellow My Mind
05.World on a String
06.Band Intro
07.Speakin' Out
08.Candy Bar Rap
09.Albuquerque
10.Perry Como Rap
11.New Mama
12.David Geffen Rap
13.Roll Another Number (For the Road)
14.Candy Bar 2 Rap
15.Tired Eyes
16.Tonight's the Night – Part II
17.Walk On
18.Outro
1973年9月20日~22日の3日間の録音です。ロサンゼルスのロキシー・シアターのオープニング時のライヴです。
メンバーはザ・サンタモニカ・フライヤーズ(The Santa Monica Flyers)とネーミングされていますが、実態は
ベン・キース(Ben Keith,pedal steel,slide g,vo)
ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren,g,p,vo)
ビリー・タルボット(Billy Talbot.b)
ラルフ・モリーナ(Ralph Molina,ds,vo)
つまりクレイジー・ホースにニルス・ロフグレンとベン・キースが加わったバンドです。スタジオ録音時のメンバーです。
プロデュースはニール・ヤングとデヴィッド・ブリッグス(David Briggs)です。
こちらはオフィシャル盤です。
アルバム『Tonight't The Night』をレコーディングした直後の、ロキシーでの伝説のライヴです。プライベート盤では出ていましたが、待ちに待ったオフィシャル盤の登場です。
私個人としてはこの『Tonight's The Night(今宵その夜)』がニール・ヤングの1,2位を争う傑作アルバムだと思っていますので、この時期のライブは特に垂涎ものです。
友人のダニー・ウィットンとブルース・ベリーの死によって生まれたアルバム『Tonight's The Night』ですが、レコード会社はその暗さに発売を遅らせ、代わりに『On The Beach(渚にて)』が先に発売されました。当時は今のように情報が無かった時代なので、録音が1973年でリリースが1975年とはどういうことなんだろう、などと不思議がっていたものです。よほどいわくつきのアルバムなんだろう、などと勘繰ったりしていましたが、アルバムそのものは素晴らしいものでした。何回繰り返して聴いたかわかりません。特にダニー・ウィットンの「Let' Go Downtown」から「Mellow My Mind」へ続くくだりはたまりませんでした。
今回のライヴでも、「Let' Go Downtown」こそありませんが、アルバム『Tonight't The Night』がほぼそのまま再現されており、涙が出て来そうです(『Lookout Joe』はありません)。おまけに『On The Beach』から『Walk On』を取り上げています。言うことありません。音も申し分ありません。これを聴けるなんて長生きはしてみるもんですね。
Neil Young - Tonight's the Night
それでは今日はこの辺で。