今日の「この人の、この1枚」はミック・ジャガー(Mick Jagger)の『プリミティヴ・クール(Primitive Cool)』です。
このアルバムはミック・ジャガーにとっての2枚目のソロアルバムになります。1枚目は1985年の『She's The Boss』ですから2年ぶりになります。
この時期は前年にローリング・ストーンズがアルバム『Dirty Work』をリリースした後で、キース・リチャーズとミックの関係は悪化していました。ミックはアルバムのためののツアーを行わないとして、ソロツアーを開始し、さらに自身のソロアルバム作成に取り掛かってしまいました。キースにはそれが気に入らなかったのでしょうを
ファーストアルバムのギタリストはジェフ・ベック(Jeff Beck)が担当しました。キースはミックがソロ活動に専念することに不快感を感じていました。
そしてセカンド・アルバムの『プリミティヴ・クール(Primitive Cool)』でもギタリストはジェフ・ベックでした。この頃には完全に二人の不仲は公になっていました。
Side A
1.Throwaway
2.Let's Work
3.Radio Control
4.Say You Will
5.Primitive Cool
Side B
1.Kow Tow
2.Shoot Off Your Mouth
3.Peace for the Wicked
4.Party Doll
5.War Baby
パーソナルは
Mick Jagger – vocals, guitar, autoharp, harmonica, percussion
Phillip Ashley, Greg Phillinganes – keyboards
Jeff Beck, G. E. Smith – guitar
Jocelyn Brown, Craig Derry, Brenda White King, Pamela Quinlan, Cindy Mizelle – backing vocals
Richard Cottle, Patrick Seymour – keyboards
Keith Diamond – programming
Bill Evans, David Sanborn – saxophone
Jon Faddis – trumpet
Dean Garcia, Doug Wimbish – bass guitar
Omar Hakim, Simon Phillips – drums
Seán Keane – fiddle
Paddy Moloney – whistle, Uillean pipes
Denzil Miller – keyboards, backing vocals
Vernon Reid, Jim Barber, Jimmy Rip, David A. Stewart – rhythm guitar
プロデュースはMick Jagger, David A. Stewart , Keith Diamondです。
このアルバムは前作ほどの売り上げは上げられませんでした。全米では41位が最高でした。シングルも39位が最高とミック・ジャガーとしては今一つでした。
ミックはある時期から、ストーンズとは別のミック・ジャガー個人としてのアイデンティティを確立したかったのでしょう。彼のソロアルバムにはその意気込みが感じられます。が、やっぱりストーンズの亡霊はついて回っているようです。
ミックは昨年心臓手術を受けています。幸い経過は良好のようです。キースとの不仲も解消されたようですし、2016年には久しぶりのアルバムでブルースを聞かせてくれました。ミックはやはりストーンズです。
それでは今日はこの辺で。