先日のキネ旬シアターは『再会の奈良』でした。
監督:ポンフェイ
エグゼクティブ・プロデューサー:河瀨直美、ジャン・ジャンク―
音楽:鈴木慶一
挿入歌:『再見、我的愛人(グッバイ・マイ・ラブ)/テレサ・テン』
出演:國村隼、ウー・イエンシュー、イン・ズー
製作:2021年 中国・日本、2022年 日本公開
中国残留孤児・麗華を探すために来日した養母と手助けする若い娘、それと偶然知り合った元警官の男とのロード・ムービーです。
2005年11月、中国残留孤児だった父親が中国に帰った後も日本に残ったシャオザー(日本名:清水初美)は父親から電話を受けます。血のつながりはないものの、「おばあちゃん」と慕っていた陳慧明が日本に来るというのです。おばあちゃんは中国残留孤児の麗華を養女として育ててきましたが、1994年に日本に帰したのだが数年前から音信不通になっていると言います。その麗華を探す手伝いをして欲しいとの事でした。
シャオザーは快く引き受け、おばあちゃんを迎えますが、探す手掛かりは麗華の写真と手紙だけです。途方に暮れる二人の前に偶然知り合った元警察官の吉澤一雄が麗華探しを手伝うと申し出たのです。
奈良・御所市を舞台に3人の旅が始まります。果たしておばあちゃんんは娘との再会を果たせるのでしょうか・・・。
終戦後、親と死別や生き別れとなって中国に残され、中国の養父母に育てられた残留邦人が日本に帰国するようになったのは1972年の日中国交正常化が成立してからのことでした。多くの在留邦人が帰国しました。当時は毎日のようにニュースで放送していました。しかし、彼らのその後の生活ぶりはは決して幸せなものとは言えなかったようです。
その辺りの事情はドキュメンタリーなどで何度も放送されていました。ここ最近はそのような話題もあまり聞かなくなってきていました。もっとも私が聞いていないだけなのかもしれませんが。この映画の麗華もその一人だったのでしょう。久しぶりに中国残留孤児の話に触れたような気がします。
1972年の日中国交正常化は衝撃でした。その前のニクソン大統領の中国訪問と共に当時高校生だった私にも衝撃を与えたものでした。その後、中国残留孤児という言葉が毎日のようにテレビから流れ始めたのです。あれから50年。中国の強大化には驚かされるばかりか、脅威にもなっています。貧しかった中国のしたたかな戦略を思い知らされます。
出演した國村準さんは昔から数多くの作品に出演していますが、最近特に頻繁に見かけます。先日の『MINAMATA』やNHKの今年の大河ドラマにも出演しています。存在感溢れる名脇役です。
エンディングではテレサ・テンちゃんの『グッバイ・マイ・ラブ』が流れます・
再会の奈良
それでは今日はこの辺で。