Flying Skynyrdのブログ

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映画『国葬の日』を観る

先日のキネ旬シアターは国葬の日』でした。

監督:大島新

プロデューサー:前田亜紀

製作:2023年  日本

 

2022年9月27日の安倍晋三国葬を記録したドキュメンタリーです。監督は大島渚監督の息子・大島新です。

 

2027年9月27日、安倍晋三国葬日本武道館で執り行われました。その賛否は世論調査ではおよそ6割が反対でした。この国葬の日、全国10都市でカメラを回し、人々の意見を記録しました。登場する都市は東京都(浅草・日比谷・九段下・渋谷)、下関市(安倍事務所があるところ)、沖縄県名護市辺野古基地、札幌市、奈良市(暗殺された場所)、福島県南相馬市大熊町長崎市静岡市

 

途中で国葬反対デモを行っている落合恵子さんへのインタビューや安倍を殺害した山上達也をモデルにした映画『REVOLUTION+1』を撮った、もと日本赤軍の監督足立正夫氏へのインタビューも挿入されます。足立監督は国葬の日にこの『REVOLUTION+1』の上映を決行しました。抗議によって上映を取りやめた映画館もありました。

 

この映画が意図するところはわかりませんが、決して『安倍晋三総理』や『国葬』の功罪を訴えるような内容ではありません。むしろ政治に対する日本人の意識を捉えたドキュメンタリーだと思います。『国葬』の良し悪しについてインタビューを受けた人たちの意見は賛否が分かれていますが、それよりも無関心という声が多かったのが意外でした。特に若い人たちは政治の話はタブーだという風潮が強いようです。友達を失くすと。

 

アメリカではトランプ、日本では安倍晋三の登場で社会の分断化がより鮮明になったのは間違いないことでしょう。「あのような人たちに負けるわけにはいかない」に代表される差別化発言は有名ですが、安倍政権は日本社会を分断化することによって自民党政権の安泰化を図ってきたのです。政治の話はタブーだという風潮を生み出し、よって政権批判を封じてきたのです。

 

一昔前は政治・社会について話をする・議論するというのは決して珍しいことではなく、日常茶飯事に行われていました。それが現在では、飲み屋でも政治の話は聞きません。いつからこうなってしまったのでしょう。国民が政治離れすれば、政治は当然のことながら劣化します。

 

映画を観終わった後、なんとも虚しい気持ちにさせられました。インタビューの中でどこかのおばさんが「いくら批判したって声は届かない。みんなうやむやで終わり」というようなことを言っていましたが、その通りです。安倍政権時代の数々の問題も結局はうやむやで幕引きです。人の命が失われたというのにです。統一教会問題もしかり。そして国葬に6割の人が反対しても強行されるのです。国民が政治に無関心になるのも当然です。「明日のことより今日の飯」ですな。

 

映画の救いは静岡県清水市での台風災害で高校生たちがボランティアで作業を手伝った後、その家のおばさんが、高校生たちに「帰りに皆でラーメンでも食べていきな」と、1万円を渡そうとしますが、高校生たちは断ります。それでもおばさんは執拗に渡そうとします。根負けした高校生は止む無く受け取りますが、カメラに向かってこっそり、「どこかに寄付します。これもらったらバイトになっちゃいます」って。これには思わずホッコリしました。

 

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それでは今日はこの辺で。