Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

この人の、この1枚 『バーズ(Byrds)/バーズ(Byrds)』

昨日の記事の続きです。

lynyrdburitto.hatenablog.com

1973年に、1971年以来活動休止状態で事実上解散同然だったザ・バーズがオリジナルメンバーでリユニオンされるというニュースが入ってきました。

これには驚きました。1971年当時のメンバーで多少入れ替えがあっても活動を再開するというのならまだしも、オリジナルメンバーが集まるというのは驚きと同時に喜びでした。なにしろこのメンバーでのレコーディングはアルバム『ターン・ターンターン』以来ですから7~8年ぶりです。

この少し前、ロジャー・マッギンのファースト・ソロアルバムにデヴィッド・クロスビーが参加したことからこの話が持ち上がったらしいのですが、なにしろ皆レコード会社が違うということがあって、なかなか難しかったらしいですが、何とかアサイラムレコードから発売するということに漕ぎつけたようです。日本でのタイトルは『オリジナル・バーズ』でした。バンド名からTheが抜けました。何故だかは分かりません。

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メンバーは今更という感じですが次の通りです。

ロジャー・マッギン(Roger McGuinn,vo,g)

ジーン・クラーク(Gene Clark,vo,g,har,tamb)

デヴィッド・クロスビー(David Crosby,vo,g)

クリス・ヒルマン(Chris Hillman,b,g,mamdlin,vo)

マイケル・クラーク(Michael Clarke,ds,per)

 

プロデュースはデヴィッド・クロスビーです。

 

Side A

1. Full Circle - Gene Clark
2. Sweet Mary - Jacques Levy / Roger McGuinn
3. Changing Heart - Gene Clark
4. For Free - Joni Mitchell
5. Born To Rock'N'Roll - Roger McGuinn

Side B
1. Things Will Be Better - Chris Hillman / Dallas Taylor
2. Cowgirl In The Sand - Neil Young
3. Long Live The King - David Crosby
4. Borrowing Time - Chris Hillman / Joe Lala
5. Laughing - David Crosby
6. (See The Sky) About To Rain - Neil Young

 

A-1 ジーン・クラークの曲。彼は後にアルバム『ロード・マスター』に「フル・サークル・ソング」として載せています。バーズ的というかジーン・クラーク節。

A-2 ロジャー・マッギンとジャッケス・レヴィのコンビ作。トラッド・フォーク調の曲。ロジャー・マッギンらしい。

A-3 再びジーン・クラークの曲。初期のバーズのフォークロックを思わせます。

A-4 ジョニ・ミッチェルの作品。デヴィッド・クロスビーのヴォーカル。歌い方は相変わらずのデヴィッド・クロスビーです。

A-5 ロジャー・マッギン作。マッギンは1975年のアルバム『ロジャー・マッギ ン&バンド』で再びこの曲を取り上げています。

B-1 クリス・ヒルマンが「マナサス」で一緒のダラス・テイラーと作った作品。ロ ジャー・マッギンの12弦ギターが入ると、途端にバーズらしくなってしまうのが不思議です。

B-2 ニール・ヤングの名曲。ジーン・クラークのヴォーカル。ニール・ヤングとは 違って、軽やかに淡々と歌っています。

B-3 デヴィッド・クロスビー作。重たい詩でいかにも彼らしい曲。

B-4 クリス・ヒルマンとやはり「マナサス」で一緒だったジョー・ララとの共作。カントリーロックです。

B-5 デヴィッド・クロスビー作。彼のソロアルバムに収録されている曲。CSN&Y的かな。

B-6 再びニール・ヤングの名作。ヴォーカルもやはりジーン・クラーク。ラストを飾るにふさわしい選曲です。

 

マイケル・クラークを除く4人が、ほぼ均等に楽曲を提供し、カバー曲3曲となっています。

こうしてみると同窓会でみんなで盛り上がったという感じですね。このあと次作を作るとかツアーに出るとかという話もあったようですが、結局これ1枚で終わりました。私もこれ以上はないだろうなという感じは持ちました。

この当時はリユニオンブームで、クイックシルバー、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ、ブルース・プロジェクト、CSN&Y、などなど。今思うと、これらの現象はレコード会社側の思惑が働いて、実現したものが多かったのではないでしょうか。あくまでもビジネスですから。

彼らのその後については、今のところ、ロジャー・マッギンとジーン・クラークについては既に書いていますが、クリス・ヒルマンについても近々書こうと思っています。


The Byrds- Cowgirl in the Sand The Byrds


The Byrds - See The Sky About to Rain.

それでは今日はこの辺で。