今やカントリーミュージック界の大御所にまで上り詰めたエミル―・ハリスの3枚目のアルバムが『Elite Hotel』です。1975年のリリースです。
Side A
1.Amarillo
2.Together Again
3.Feelin' Single, Seein' Double
4.Sin City
5.One of These Days
6.Till I Gain Control Again
Side B
1.Here, There and Everywhere
2.Ooh Las Vegas
3.Sweet Dreams
4.Jambalaya (On the Bayou)
5.Satan's Jewel Crown
6.Wheels
バックはホット・バンドと呼ばれる連中。
ジェームス・バートン、グレン・ハーディン、ハンク・デヴィッド、エモリー・ゴーディ、ジョン・ウェア―、ロドニー・クロウェル
それにハーブ・ペダーソン、エイモス・ギャレット、ベン・キース、リトルフィートのビル・ペイン、リンダ・ロンシュタットまで賑やかです。
エミルー・ハリスは1947年生まれですから今年で70歳です。もうそんなになるのか、という感じです。アラバマ州バーミンガムの生まれ。「イアン&シルビア」にあこがれフォーク歌手を目指しニューヨークに向かいますが、ニューヨークにたどり着いた1967年頃にはフォークは下火になり、苦労したようですが、ジェリー・ジェフ・ウォーカーやデヴィッド・ブロンバーグと知り合い、デビューアルバムを出せるまでになりました。しかしほとんど売れなったようです。
1971年にワシントンに移り住んでいた時に、フライング・バリット・ブラザースのリック・ロバーツをとうしてバンドの面々と知り合いました。中でもクリス・ヒルマンとは親しくなり、バンドのメンバーに誘われたほどでした。フライング・バリットを辞めたグラム・パーソンズが女性シンガーを探しているという話を聞き、エミル―をグラムに紹介したのもクリス・ヒルマンでした。エミル―とグラムは意気投合し、さっそくグラムのソロアルバム『GP』にレコーディング参加します。そしてツアーにも「Fallen Angels」のメンバーとして同行するようになります。さらに二人はアルバム『Grievous Angel 』をレコーディングします。
ところが1973年9月、グラム・パーソンズはモーテルで亡くなります。過度の薬物接種です。エミルーは失意のどん底に突き落とされます。それでも彼女の名前は徐々に知られるようになり、セカンドアルバム『Pieces of the Sky 』を1975年にリリースします。そしてこれがヒットします。
そして続けてこの『Elite Hotel』がリリースされます。ようやく日本でも脚光を浴びるようになります。
A-4、B-2、B-6はグラム・パーソンズの曲です。エミルーにとってグラム・パーソンズは自分を世に送り出してくれた大恩人です。この後も、彼の歌は取り上げています。
B-1はビートルズナンバー。しっとりと歌い上げます。
他にはバック・オウエンスやハンク・ウィリアムスのカントリーナンバーをカバーしています。高く澄み切った声がカントリーを歌うのにぴったりです。
彼女はまた、多くのミュージシャンのレコーディングにも参加しています。ニール・ヤング、ボブ・ディラン、リンダ・ロンシュタットなどなど。ザ・バンドの映画「ラスト・ワルツ」にも出演して評判になりました。
その後の活躍ぶりはご承知の通りです。グラミー賞を13回も受賞し、その他にも数々の音楽賞を受賞しました。
こんな大それた歌手になるとは、当時は思っていませんでした。グラム・パーソンズの絡みで知って、アルバムを買うようになり、最近はCDをちらほら買う程度ですが、この歌声にはいつも癒されます。
グラム・パーソンズとエミルー・ハリスについては過去にちょっとだけ触れていますので参考までにどうぞ。
彼女の歌は単にカントリーだけではなくフォークやロックの要素も取り入れてあるので非常に聴きやすいのです。
やはり、いいものはいいのです。
Emmylou Harris - Wheels (by Chris Hillman, Gram Parsons)
Gram Parsons & Emmylou Harris - Love Hurts (1973 and 1974) Grievous Angel
それでは今日はこの辺で。