今日の「聴き比べ」は『ラヴ・ハーツ(Love Hurts)』です。
私がこの曲を知ったのは、1974年、大好きなグラム・パーソンズ(Gram Parsons)のソロ第2弾『Grievous Angel』を聴いた時でした。エミルー・ハリス(Emmylou Harris)とのデュエットで絶妙なコンビネーションでした。
このアルバムが発表された時には既にグラム・パーソンズはこの世にはいませんでした。まさに遺作となりました。2枚のソロアルバムを残してこの世を去りましたが、インターナショナル・サブマリン・バンド、ザ・バーズ、フライング・バリット・ブラザースに足跡を残し、カントリーロックの礎を築いた功績は計り知れません。
Love Hurts (Remastered Version)
ところが、この曲のオリジナルが少し後になって、エヴァリー・ブラザーズ(The Everly Brothers)の曲だということが分かりました。作者はブーデロウ・ブライアント(Boudleaux Bryant)です。「バイ・バイ・ラヴ」「起きろよスージー」などもエヴァリー・ブラザーズに提供しています。
Love Hurts
by Boudleaux Bryant
Love hurts, love scars
Love wounds and mars
Any heart not tough
Nor strong enough
To take a lot of pain
Take a lot of pain
Love is like a cloud
Holds a lot of rain
Love hurts
Mmm-mm, love hurts
I'm young, I know
But even so
I know a thing or two
I've learned from you
I've really learned a lot
Really learned a lot
Love is like a stove
Burns you when it's hot
Love hurts
Mmm-mm, love hurts
Some fools think of happiness
Blissfulness, togetherness
Some fools fool themselves, I guess
But they're not fooling me
I know it isn't true
Know it isn't true
Love is just a lie
Made to make you blue
Love hurts
Mmm-mm, love hurts
Love hurts
Mmm-mm, love hurts
Oh-oh, love hurts
そして、1974年にはなんとあのナザレス(Nazareth)がシングルでカバーして大ヒットとなりました。1975年の6枚目のアルバム『Hair of the Dog』に収められました。ハードロックらしいアレンジになりました。
Nazareth - Love Hurts 1975 (HQ)
同じく、1975年にはトラフィック(Traffic)のジム・キャパルディ(Jim Capaldi)がシングルでリリースし全英で4位のヒットとなりました。ディスコナンバーのようで、彼の意外な一面を見せられました。
1988年には以前にも紹介した、今は亡きニコレット・ラーソン(Nicolette Larson)がアルバム『Shadows of Love』の中でカバーしました。
Nicolette Larson - Love Hurts (Shadows of Love)
あと、ちょっと驚いたのが、メタル系から以前紹介したトライアンフ(Triumph)がカバーしています。
その他に多くの人がカバーしていますが、最後は何といってもエミルー・ハリスです。単独での録音です。グラム・パーソンズを偲んでの歌声でしょう。いくつかのライブアルバムで取り上げています。スパイボーイとの競演です。
やはりグラムの楽曲が忘れられません。
それでは今日はこの辺で。