Flying Skynyrdのブログ

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映画『バルバラ セーヌの黒いバラ 』を観る

今日のキネ旬シアターはバルバラ セーヌの黒いバラ 』でした。

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監督:マチュー・アマルリック

主演:ジャンヌ・バリバールマチュー・アマルリック

制作:2017年 フランス 日本公開2018年

 

フランスの伝説的シャンソン歌手・バルバラを主人公にした映画の制作に憑りつかれた監督と女優のドラマです。

 

フランスを代表するシャンソン歌手、バルバラの人生を描いた映画の撮影準備が始まっていました。主演女優はブリジット、監督はイヴです。ブリジットは完璧にバルバラに成りきるために、用意された住まいもセットそっくりに作り、仕草や表情、歌声などすべてバルバラそっくりに作り上げていきます。

 

一方の監督イヴは自分が幼い頃にバルバラの歌で救われた経験を持っており、バルバラのキャバレーや劇場での聞き取りをしバルバラの人生にのめり込んでゆきます。そしてブリジットが演じるバルバラに憑りつかれていきます。

 

ブリジットはますますバルバラと化していきます。ブリジットの中でバルバラの存在が大きくなり、バルバラと自分の見分けもつかなくなってきます。監督も現実と映画との区別がつかなくなってきます。

 

と、なんとなくわかったのはこの辺まででした。映画全編にわたって劇中劇が繰り返され、これは日常なのか撮影なのかの区別が段々つかなくなってきます。ましてバルバラというシャンソン歌手については名前を知っている程度で、フランスの国民的歌手だということも知りませんでした。当然彼女の人生など知るはずもありません。例によって予備知識なしで観に行っているので、さすがに面喰いました。

 

劇中の時代背景は「ある愛の詩」を歌っていたり、ジミヘンの曲が流れていたところをみると1970年前後だと思います。時々本物のバルバラの映像の映像が流れたりして、それがまた主演のバリバールという女優によく似ていて、ますます混乱してきます。この人も歌手だそうで、どうりで歌もうまいです。

 

監督の狙いは何だったのでしょう。バルバラの人生の一端を描きたかったのは当然なのでしょうが、現実とカメラを通して見る虚構の世界との境目は意外と曖昧なものだという映像表現なのでしょうか。

 

映画のセリフはほとんどミュージカルのようにブリジット演じるバルバラシャンソンです。私はシャンソンというとエディット・ピアフイヴ・モンタンぐらいしか知りませんのでこのような偉大なる歌手がいたということを改めて認識しました。

 

帰ってきてからウィキペディアで調べてみると、バルバラは1930年生まれで、父親はユダヤ系のアルザス人ユダヤ系であるため戦時中は転々と住居を変えていたらしいです。コンサートは宣伝もしないのに常に完売だったそうです。このような現象は「神話」と呼ばれたそうです。1997年、67才で呼吸器疾患のため亡くなりました。思ったより最近の人です。劇中、シルヴィー・バルタンの名前が出てきたりしていましたから、比較的同時代の人だったのです。シャンソンまでは手が回りませんでしたね。

 

予備知識が無いと苦労する映画に出会ってしまいました。途中で睡魔に襲われましたが、何とかエンドロールまでたどり着きました。はぁ~。

  

 


『バルバラ~セーヌの黒いバラ~』予告編

 

 

それでは今日はこの辺で。