イギリスのサイケデリック・バンド、トゥモロウ(Tomorrow)です。
トゥモロウと名乗る前は『The In The Crowd』というバンド名でした。1966年ににミケランジェロ・アントニーニ監督の映画『欲望』に「Am I Glad To See You」と「Blow-Up」の2曲を提供しました。しかし、ヤードバーズの方が採用され、これらの曲は未使用でした。但し、CD化されたサントラ盤には入っています。
『The In The Crowd』の結成は古く、1965年まで遡ります。
メンバーは
キース・ウェスト(Keith West,vo)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe,g)
ジョン・トゥインク・アルダ―(John”Twink” Alder,perc)
ジョン・ジュニア・ウッド(John"Junior"Wood,b)
です。
当時のイギリスでのピンク・フロイド(Pink Floyd)、ソフトマシーン(Soft Machine)と並んでサイケデリック・ロックの奔りでした。
ただし、日本ではほとんど知られていませんでした。
1967年にバンド名をトゥモロウに変え、シングル「My white bicycle」と「Revolution」の2曲をリリースします。
そして1968年にアルバム『Tomorrow』をリリースします。
Side A
1.My white bicycle
2.Colonel Brown
3.Real life permanent dream
4.Shy boy
5.Revolution
Side B
1.The Incredible journey of Timothy Chase
2.Auntie Mary's dress shop
3.Strawberry Fields forever
4.Three jolly little dwarfs
5.Now your time has come
6.Hallucinations
プロデュースはマーク・ウィルツ(Mark Wiltz,key)です。
トゥモロウは残念ながらこの1枚を残して解散してしまい、幻のバンドとして語られることになりました。
その音楽性はビートルズのナンバーを取り上げたり、ポップな感覚を持ち合わせている一方、逆にビートルズの「Revolution」にインスピレーションを与えたのではないかと言われる「Revolution」などはサイケデリックの極致です。
解散後はスティーヴ・ハウはご存じイエス(Yes)に、ジョン・トゥインク・アルダ―はプリティ・シングス(Pretty Things)を経て、先日も紹介したピンク・フェアリーズ(Pink Fairies)に参加します。
1999年になると、未発表音源を含むコンピレーションが発売されました。ここにはオリジナルの他に、キース・ウェストのソロアルバムやキースがマーク・ウィルツのロック・オペラに参加したときの曲などがボーナストラックとして収録されています。これは聴きごたえがあります。キース・ウェストは本当に素晴らしいヴォーカリストです。
またトゥインクとジョン・ウッドのプロジェクト、The Aquarian Ageの曲も3曲収録されています。これは珍しいでしょう。
Tomorrow - My White Bicycle (1967)
Tomorrow - Strawberry Fields Forever (High Quality)
それでは今日はこの辺で。