Flying Skynyrdのブログ

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聴き比べ 小椋と陽水『白い一日』~『少しは私に愛を下さい』

今日の「聴き比べ」は『白い一日』です。

この曲は小椋 佳作詞の曲ですが、私が最初に聴いたのは井上陽水バージョンでした。

井上陽水の1973年の3枚目のアルバム『氷の世界』に収められていた曲です。「心もよう」が聴きたくて、買ったアルバムです。

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氷の世界

氷の世界

 

このアルバムではもちろん「心もよう」は良かったのですが、「小春おばさん」とともにこの「白い一日」が特に気に入りました。


井上陽水/白い一日 «歌詞» (1973年)

 

作詞:小椋 佳

作曲:井上 陽水

 

真っ白な 陶磁器を

眺めては あきもせず

かといって 触れもせず

そんな風に 君のまわりで

僕の一日が 過ぎてゆく

 

目の前の 紙くずは

古くさい 手紙だし

自分でも おかしいし

破り捨てて 寝ころがれば

僕の一日が 過ぎてゆく

 

ある日 踏切のむこうに 君がいて

通り過ぎる汽車を待つ

遮断機が上がり 振り向いた君は

もう 大人の顔をしてるだろう

 

この腕を さしのべて

その肩を 抱きしめて

ありふれた幸せに

落ち込めればいいのだけれど

今日も一日が 過ぎてゆく

 

真っ白な 陶磁器を

眺めては あきもせず

かといって 触れもせず

そんな風に 君のまわりで

僕の一日が 過ぎてゆく

 

その時に、作詞が小椋 佳という人だということを知りました。それまで小椋佳という人を知りませんでした。小椋 佳バージョンを実際に聴いたのはそれからだいぶ経ってからのことだったと思います。1974年のアルバム『残された憧憬~落書~』に収録されました。

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残された憧憬~落書~

残された憧憬~落書~

 

 


小椋 佳 - 白い一日 ~ 落書 IV

二人のバージョンは共にしっとりと歌い上げて素晴らしい。声も共に素晴らしい。この曲の詩とメロディーが多感な青春時代の心に沁みました。

 

さらに、大好きな倍賞千恵子さんもカバーしています。クラシックを聴いているようです。


白い一日 倍賞千恵子

 

話は変わりますが、実は小椋佳の中で一番好きな歌が『少しは私に愛を下さい』という曲です。

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少しは私に愛をください~雨の中の青春~
 

 

この「少しは私に愛を下さい」という曲を教えてくれたのが、学生時代の友人T.Y君でした。彼は小椋佳の大ファンで、ギターを弾きながら歌ってくれ、「あ~、これはいい曲だな』と即座に思いました。ですから、小椋佳の本人歌唱はだいぶ後になってから聴いたのでした。小椋佳の歌というよりもT.Y君の歌が頭に残っているくらいです。彼のお陰で小椋佳を知ったようなものです。ほとんどの歌を弾き語りしていました。その代わりに私は岡林信康を聴かせてあげました。いい迷惑だったでしょうか。

 

小椋 佳 作詞・作曲

 

少しは私に愛を下さい

全てを あなたに捧げた私だもの

一度も咲かずに 散ってゆきそうな

バラが鏡に映っているわ

少しは私に愛を下さい

 

たまには手紙を書いて下さい

いつでも あなたを想う私だもの

あなたの心の ほんの片隅に

私の名前を残してほしいの

たまには手紙を書いて下さい

 

みぞれの捨て犬 だいて育てた

やさしい あなたを 想い出しているの

少しは私に愛を下さい

 

どうしてこのような詩とメロディーが浮かぶのか不思議でなりませんでした。ましてや男性なのにここまで女性の気持ちになり切って歌を作れるなんて、信じられないくらいでした。もっともこの詩は、男女共通のような気もします。当時、小椋佳はアルバムジャケットにもテレビにも顔を出しませんでした。どんな男なのだろうと興味がありましたが、後年その姿を見て、イメージとはかけ離れていたことに困惑したことを憶えています。


少しは私に愛を下さい/小椋佳

 

そしてこの曲も倍賞千恵子さんがカバーしています。


少し私に愛をください

 

そして驚くべきライブ音源を発見しました。井上陽水小椋佳来生たかおの競演です。ずいぶん昔のライブでしょうが、凄いものが残っているものです。


少しは私に愛をください

 

私が上京した頃には、ラジオから陽水の「傘がない」が盛んに流れてきて、「ああ、フォークの時代は終わったな」というのを実感しました。そして「夢の中へ」「心もよう」です。陽水はすでにJ・ポップでした。

陽水の『あやしい夜をまって』『LION & PELICAN』は社会人になってからのマイ・フェヴォリット・アルバムです。

 

その中でも「風のエレジー「ジェラシー」は最高です。

 

 

今日は学生時代がまざまざと蘇りました。

 

 

それでは今日はこの辺で。