今日の「聴き比べ」は70年代フォークの『池上線』です。
学生時代、深夜放送から流れてきたこの曲に、失恋したときの思い出が重なり、妙に引き付けられた思い出の曲です。
歌ったのは西島三重子。作曲も彼女で作詞は佐藤順英です。1976年のリリースです。大ヒットしました。
池上線
作詞:佐藤順英
作曲:西島三重子
1 古い電車のドアのそば
二人は黙って立っていた
話す言葉を捜しながら
すきま風に震えて
いくつ駅を過ぎたのか
忘れてあなたに聞いたのに
じっと私を見つめながら
ごめんねなんて言ったわ
泣いてはダメだと胸にきかせて
白いハンカチを握りしめたの
池上線が走る町に
あなたは二度と来ないのね
池上線に揺られながら
今日も帰る私なの
2 終電時刻を確かめて
あなたは私と駅を出た
角のフルーツショップだけが
灯りともす夜更けに
商店街を通り抜け
踏切り渡ったときだわね
待っていますとつぶやいたら
突然抱いてくれたわ
あとからあとから涙あふれて
うしろ姿さえ見えなかったの
池上線が走る町に
あなたは二度と来ないのね
池上線に揺られながら
今日も帰る私なの
この曲を聴いていた当時は、誰が作詞をしたのかなど気に留めていませんでした。当然女性が作詞したものだと思っていました。ところが随分後になって、朝日新聞の土曜版だったかでこの曲が取り上げられました。作詞した佐藤順英氏がインタビューに応えていた記事だったと思います。この詩は実話で、彼が当時付き合っていた彼女と、自分がハワイに留学するために別れなければならなくなった時のことを詩にしたようでした。
当の彼女は既に結婚しており、池上に住んでいるようです。待っていてはくれなかったようです。それが現実ですね。その記事を読んでわざわざ池上駅まで行ったこともありました。確かに商店街はありましたが、フルーツショップがあったかどうかは定かではありません。
この曲をカバーしている人はいないだろうとYou Tubeを検索したら、いました。
演歌歌手の水森かおりと山本あきという人です。まさかとは思いましたが意外な人にカバーされていました。
西島三重子さんの代表曲になりました。これ1曲だけでも永遠に残ります。
それでは今日はこの辺で。