今日の「この人の、この1枚」はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers )の『ライブ!(Live !)』です。
レゲエ・ミュージックなるものが広く日本に知れ渡るようになったきっかけは、おそらくエリック・クラプトン(Eric Clapton)が発表した1974年のアルバム『461 Ocean Boulevard』の中で取り上げた「I Shot the Sheriff」によるところが大きいのではないでしょうか。かく言う私もその一人でした。そしてその曲の作者がボブ・マーリーでした。クラプトンのこのアルバムは全米1位を記録し、シングルのこの曲も全米1位になる大ヒットで、レゲエ・ミュージックを全世界に広めることとなりました。
もちろんそれ以前にもアメリカやイギリスでもレゲエは聴かれており、多くのミュージシャンやロック・ファンの注目を集めていました。
ウェイラーズは元々ピーター・トッシュ(Peter Tosh,g,vo)とバーニー・ウェイラー(Burnny Wailer,perc,vo)、それにボブ・マーリー(Bob Marley,g,vo)が中心となって、1963年に結成されました。
その後、ピーターとバーニーがバンドを去り、1974年に解散しました。ボブ・マーリーは残ったアストン・バレット(Aston Ballett,b)とカールトン・バレット(Carlton Ballett,ds)、アル・アンダーソン(Al Anderson,g)らと「Bob Marley & The Wailers」として活動を開始します。
この年にこのバンド名義で『Natty Dread』がリリースされます。
そして1975年に『ライブ!(Live !)』が発表されます。1975年7月18日、ロンドン・ライシウム・ボール・ルームでのライブ録音です。
Side A
1.Trenchtown Rock
2.Burnin' and Lootin
3.Them Belly Full
4.Lively Up Yourself
Side B
1.No Woman, No Cry
2.I Shot the Sheriff
3.Get Up, Stand Up
メンバーにタイロン・ダウニー(Tyrone Downie,key)とアルヴィン・パターソン(Alvin "Seeco" Patterson,perc)が加わっています。バッキング・ヴォーカルは「I Three」のメンバーです。
プロデュースはBob Marley and the Wailers、スティーヴ・スミス(Steve Smith)、クリス・ブラックウェル(Chris Blackwell)です。
この中から「ノー・ウーマン、ノー・クライ」がシングル発売され売れました。この曲は前作に収録されていましたが、このライブ盤で一気に火が付きました。
またクラプトンがカバーした「 Shot the Sheriff」も演奏しています。この曲はウェイラーズの1973年の解散前のアルバム『Burnin'』に収められています。
ゆったりとしたレゲエのリズムは、このころブームになったレイド・バックと合わさって一つの流行になりました。
現在はCD2枚組のデラックス・エディションが発売されており、7月17日と18日の両日の録音が聴けます。
ボブ・マーリーは1981年、足の親指にできた悪性のメラノーマが原因で亡くなりました。足の指を切断することを宗教上の理由から拒否し、それが脳と肺に転移したのでした。36歳でした。国葬となりました。
このバンドには不幸が続きました。1987年にはカールトン・バレットが、また創立メンバーのピーター・トッシュがいずれも強盗に襲われ殺害されました。
ウェイラーズはジミー・クリフと並んでレゲエ・ミュージック確立の立役者でした。
Bob Marley and The Wailers - Trenchtown Rock (LIVE!)
Bob Marley and The Wailers - Burnin' And Lootin' (LIVE!)
Bob Marley and The Wailers - No Woman, No Cry (LIVE!)
I Shot The Sheriff [Live] (1975) - Bob Marley & The Wailers
それでは今日はこの辺で。