今日の「この人の、この1枚」はリトル・リチャード(Little Richard)の『Here's Little Richard』です。
チャック・ベリー(Chuck Berry)、ファッツ・ドミノ(Fats Domino)と並んでロックンロールの3巨人と呼ばれたリトル・リチャードです。先日観た映画『エルヴィス』にも登場して、ヒット曲「トゥッティ・フルッティ」を熱唱していました。そっくりでした。
本名リチャード・ウェイン・ペニマン、1932年ジョージア州メイコン生まれ。幼いころから歌好きで、7~8歳の頃には街角に立って歌い、小銭を稼いでいたといいます。両親の関係で教会でピアノやオルガンを弾くようになり、15歳で家を出ます。
それからドクター・ハドスンのメディシン・ショウに参加し、ドサ周りを経験します。その後タレントスカウトショーに参加し優勝。これでレコード・デビューのきっかけをつかみます。RCAからシングルを3枚ほど出しますが全く売れません。再びドサ周りへ逆戻り。
1953年に新たなグループを作り録音しますが、これまた全く評判にもなりませんでした。しかし地道に活動を続けていると、転機が訪れました。メイコンでのコンサートを聴いた歌手のロイド・プライスがピアノを弾きながら「トゥッティ・フルッティ」を歌う姿を見て、楽屋に飛び込んできました。そしてスペシャルティ・レコードでの録音を手配してくれたのです。
そしてこの曲でスペシャルティ・レコードからデビューし、これがビッグ・ヒットとなったのです。1955年のことでした。その後はご存じの通りヒット曲を連発しました。
しかし、1959年、突然引退を表明します。オーストラリア公演に向かったリチャードは往復2度もエンジンの火災に遭遇、危機一髪で難を逃れました。その炎の中に神の姿を見たと言い、自分の信仰心が足りないと、大学に通い神学を学び牧師になったのです。ロックは罪深い音楽だと言い、ゴスペルを歌うようになりましたが、1962年に復帰しました。この復帰コンサートで前座を務めたのがまだ無名だったビートルズでした。2020年、87歳で亡くなりました。
そんなリトル・リチャードのファースト・アルバムが『Here's Little Richard』です。1957年のリリースです。初期のヒット曲、ロックンロール曲が目白押しです。
サード・アルバムの『The Fabulous Little Richard』あたりになると、バラードやブルースなども歌うようになりますが、まだこの頃はバリバリの絶叫ロックンロールです。
Here's Little Richard
Side A
1.Tutti-Frutti
2.True, Fine Mama
3.Can't Believe You Wanna Leave
4.Ready Teddy
5.Baby
6.Slippin' And Slidin'
Side B
1.Long Tall Sally
2.Miss Ann
3.Oh Why?
4.Rip It Up
5.Jenny, Jenny
6.She's Got It
それでは今日はこの辺で。