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この人の、この1枚『ヴァン・モリソン(Van Morrison)/魂の道のり(It's Too Late to Stop Now)』

今日の「この人の、この1枚」はヴァン・モリソン(Van Morrison)『魂の道のり(It's Too Late to Stop Now)』です。

 

ヴァン・モリソンは1945年、北アイルランドベルファストの労働者階級の家に生まれました。幼いころはカウボーイにあこがれハリウッド映画ばかり観ていました。ハンク・ウィリアムスレイ・チャールズにあこがれた少年時代でした。16歳のころから歌とサックスを習い始め、黒人ブルースに嵌っていきました。

 

1964年にロックバンド『ゼム(Them)』を結成・デビューします。最初にシングルのB面の収録された「グローリア(Gloria)」がヒットし、一躍有名になります。ヴォーカルのヴァン・モリソンブルー・アイド・ソウルの歌手として高く評価されました。

しかし、ヴァン・モリソンは セカンド・アルバムがリリースされると1966年にバンドを脱退してしまいます。

アメリカでゼムに目をかけていたプロデューサーのバート・バーンズ(Bert Burnes)はバング・レコードを立ち上げ、ヴァンをアメリカに呼び寄せ、ファースト・ソロアルバム『Blowin' Your Mind!』をレコーディングしました。1967年でした。

ところが、バート・バーンズがその年末に急逝してしまいます。ヴァンはバング・レコードを離れ、ワーナーと契約します。ここからヴァン・モリソンの怒涛の進撃が始まります。名作アルバムを次々と発表しました。『Astral Weeks』『Moondance』『Tupelo Honeyなど、1973年までに通算7枚スタジオ・のアルバムをリリースしてきました。

 

 

そして1974年に通算8枚目のアルバムとして初のライヴ・アルバム『魂の道のり(It's Too Late to Stop Now)』を発表しました。しかも2枚組です。

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Side A

1,Ain't Nothin' You Can Do

2.Warm Love

3.Into The Mystic

4.These Dreams Of You

5.I Believe To My Soul

 

Side B

1I've Been Working

2.Help Me

3.Wild Children

4.Domino

5.I Just Wanna Make Love To You

 

Side C

1.Bring It On Home

2.Saint Dominic's Preview

3.Take Your Hand Out Of My Pocket

4.Listen To The Lion

 

Side D

1.Here Comes The Night

2.Gloria

3.Caravan

4.Cypress Avenue

 

パーソナルは

Van Morrison – vocal

Nathan Rubin – first violin

Tom Halpin or Tim Kovatch – violin

Nancy Ellis – viola

Teressa Adams – cello

Bill Atwood – trumpet, backing vocals

Jack Schroer – alto, tenor and baritone saxophones, tambourine, backing vocals

Jef Labes – piano, organ

John Platania – guitar, backing vocals

David Hayes – bass guitar, backing vocals

Dahaud Shaar (David Shaw) – drums, backing vocalsViola

 

このバックバンドはカレドニア・ソウル・オーケストラ(Caledonia Soul Orchestra)と名付けられていました。

 

プロデュースはヴァン・モリソンテッド・テンプルマン(Ted Templeman)です。

 

録音は1973年夏、ロスアンゼルス・トルバドール、サンタモニカ・市民ホール、ロンドン・レインボー・シアターです。

 

A1はジョセフ・スコットの曲でボビー・ブルー・ブランドのレパートリーから。

A2は前作『苦闘のハイウェイ(Hard Nose the Highway)』から。

A3は『ムーンダンス』から。

A4も『ムーンダンス』から。

A5はレイ・チャールズの曲。

B1はアルバム『セントドミニクの予言(Saint Dominic's Preview)』から。

B2はサニー・ボーイ・ウィリアムソンウィリー・ディクソンのブルース。

B3は『苦闘のハイウェイ(Hard Nose the Highway)』から。

B4はアルバム『ストリート・クワイア(His Band and the Street Choir )』からのヒット曲。

B5はウィリー・ディクソンのブルース。

C1はサム・クックの曲。多くの人がカヴァーしています。

C2は『セントドミニクの予言(Saint Dominic's Preview)』から。

C3はサニー・ボーイ・ウィリアムソンのブルース。

C4は『セントドミニクの予言(Saint Dominic's Preview)』から。

D1はゼム時代のヒット曲。

D2もゼム時代のヒット曲。

D3は『ムーンダンス』から。

D4は『アストラル・ウィークス』から。アンコールの定番。

 

もう、言うことなしのベスト・アルバムです。二度と同じ歌い方はしないというヴァンの言葉どうりに、アレンジを施された曲はスタジオ盤とはまた違う魅力であふれています。ソウルフルな歌唱は絶品です。

『テュペロ・ハニー』からは1曲も選曲されていません。これはオーバー・ダヴをしないで純粋なライヴ・アルバムにしたかったという意図のようです。

 

この後もヴァンは『Veedon Fleece』『Wavelength』『Into the Music』など傑作アルバムを出し続けます。

 

 

ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」でも歌っていました。

 

そして今でも現役バリバリで頑張っています。毎年のように新録アルバムが出されています。74歳とは思えません。凄いの一言です。

 


I Believe To My Soul - Van Morrison


Van Morrison - Domino (Live) (from..It's Too Late to Stop Now...Film)


Van Morrison - Domino (Live) (from..It's Too Late to Stop Now...Film)


Van Morrison - Here Comes the Night (Live) (from..It's Too Late to Stop Now...Film)

 

それでは今日はこの辺で。