先日のキネ旬シアターは『オードリー・ヘプバーン』でした。
監督:ヘレナ・コーン
出演:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー、 エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー
製作:2020年 イギリス。2022年 日本公開
女優オードリー・ヘプバーンの生涯を描いたドキュメンタリー映画です。
彼女は1929年にベルギーのブリュッセルで生まれました。6歳の時に両親が離婚、そして父親の失踪。第2次世界大戦時にはナチス・ドイツの占領下にあったオランダで飢えを凌ぐ生活を送りました。
女優としては初主演の『ローマの休日』でアカデミー賞主演女優賞を受賞するなど圧倒的な人気を獲得しますが、私生活においては過去のトラウマを抱えており、本当の愛を得られないことに苦悩していました。そのせいか2度の離婚を経験しました。それでも二人の子供には多くの愛情を注ぎました。
映画界から身を引いた後、スイスに移住し息子と静かな生活を送り、その後3度目の結婚をしました。しかし、世界は彼女を休ませてはくれませんでした。戦時中の飢餓で重度の栄養失調を経験した彼女は同じような子供を作ってはいけないと、ユニセフの活動に没頭していき、ユニセフ親善大使として世界中どこでも出かけて子供たちに寄り添うのでした。
そして1992年、腹痛を訴え検査の結果、癌が発見され、手術するも手遅れ状態で、1993年1月、僅か63歳でこの世を去りました。波乱万丈の人生でした。
私はオードリーの映画はほとんど観ているはずですが、彼女の私生活については全くと言っていいほど知りませんでした。『暗くなるまで待って』以降、あまり見かけなくなった理由もこの映画でよくわかりました。
父親に捨てられ、愛に飢えていた彼女は自分の家族、子供、そして世界中の飢えた子供たちに無私無欲で目いっぱいの愛情を注いだのです。
それでは今日はこの辺で。