監督:ジョージ・ロイ・ヒル
音楽:バート・バカラック
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス
製作:1969年 アメリカ合衆国 1970年 日本公開
なんと驚き、『明日に向かって撃て』の劇場公開です。どうしたの?と、思ったら今は亡きポール・ニューマンの特集だそうです。この他にも上映予定があるそうです。
『明日に向かって撃て』は『イージー・ライダー』と共に私を洋画の世界に引っ張り込んだ作品です。それまでは洋画と言えばマカロニ・ウェスタンくらいなものでした。ところがこの『イージー・ライダー』と同時上映の『明日に向かって撃て』を一緒に観て、終わってからもしばらく席を立てなかったのを憶えています。それだけ私にとっては衝撃的でした。
この映画は『俺たちに明日はない』から始まった「アメリカン・ニューシネマ」の代表的作品です。「アメリカン・ニューシネマ」とは1960年代後半からアメリカで始まった反体制的、アウトローな若者達を描いた映画群のことを指します。当時のアメリカの風潮、ベトナム戦争反対を叫ぶ若者達の心情を捉えた映画たちでした。
この『明日に向かって撃て』は舞台は1890年代のアメリカ西部とボリビア。銀行強盗を繰り返す実在した強盗二人組みを描いた映画です。ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。この二人にキャサリン・ロス演じるエッタが絡み、衝撃的なラストを向かえます。ラスト10分は目が離せません。
全体のストーリーとしては、同じくギャング二人組を描いた『俺たちに明日はない』と似ていますが、そのラストシーンに大きな違いがあります。『俺たちに明日はない』はまさに衝撃そのものですが、『明日に向かって撃て』のラストシーンは当時としては珍しく(私自身は初めて)、ストップ・モーションで終わるのです。これがまた後々まで語られる名シーンとなったのです。このラストシーンにも『俺たちに明日はない』とは違った衝撃を受けました。
また映画の主題歌『雨にぬれても』が流れる、ポールとキャサリンが自転車に乗っているシーンも懐かしい!
忘れていたワンシーン、ワンシーンが次々と思い出され、ラストシーンでは思わず涙ぐんでしまいました。おまけに当時の自分の姿まで思い出され、しばし郷愁に浸りました。
名作は半世紀以上を経ても輝き続けます。ポール・ニューマンもロバート・レッドフォードもキャサリン・ロスも若かった! ありがとう!
それでは今日はこの辺で。